今回は、Airbnbのホストが責任を負うべき「3つの関係先」について見ていきます。※本連載は、Airbnb総合研究会代表、阿部ヨシカズ氏の著書『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』(ソシム)の中から一部を抜粋し、Airbnbを始める際に知っておきたい法律面・契約面のポイントや、想定されるトラブルの解決法などを紹介します。

賃貸物件でのAirbnb運営は「契約違反」になる恐れも

Airbnbで部屋を貸し出すにあたり、実際に障壁になり得るのが契約や信頼関係です。ホストとして活動するためには、今後ガイドラインが整備されるであろう法律面よりも、むしろ契約面の課題をクリアするほうがハードルが高いかもしれません。

 

ホストが対処すべき契約やルールとして、対象となる相手を基準にした「3つの関係」があります。その3つの相手とは、「大家さん」「近隣住民」と「ゲスト」です。特に、貸し出す部屋が賃貸物件の場合、大家さんとの契約内容や大家さんのAirbnbに対する理解が大きな鍵を握ります。

 

ホストは、ゲストに対して宿泊のための部屋を有料で貸し出す立場です。当然、ゲストに対してはさまざまな責任を負うことになります。ゲストは、予約した部屋に宿泊できることを前提に日本を訪問します。もし、予約した部屋が利用できないとなると、ゲストの旅行に大きな支障をきたしてしまいます。

 

予約をいったん受け付けておきながら、ホスト側から直前にキャンセルを申し出てトラブルになった例も過去に発生しています。キャンセルせざるを得なかった理由の多くは、部屋を外国人旅行者に貸し出すことを事前に大家さんや近隣住民に理解してもらっていなかったことにより、大家さんからクレームが入ったり、最悪の場合、契約違反を理由に賃貸契約を解除されてしまったりしたためです。

Airbnb運営には周囲の理解が不可欠

Airbnbの仕組みは、ホストとゲストにとっては、両者にメリットが大きいことはすでに説明しました。しかし、部屋を所有している大家さんや、その物件が建っている周辺の住民にとっては、デメリットと受け取られてしまうケースもあることを理解する必要があります。

 

賃貸物件をAirbnbで貸し出す場合、まずは大家さんとの契約内容を確認して、さらに大家さんからの理解を得ることが最重要課題になります。一戸建てや分譲マンションなどホストが所有する物件であっても、注意すべきことはあります。

 

その上で、ホストとしての責任を果たすために、近隣住民との関係や、ゲストとの間のルール作りなども考慮しなければなりません。

 

【図表 3つの関係】

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    本連載は、2016年1月12日刊行の書籍『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

    インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

    阿部 ヨシカズ

    ソシム

    Airbnb(エアビーアンドビー)は主に海外からの旅行客に対し民泊の仲介を行うサービスで、日本でも急速に利用者を伸ばしています。 本書では、Airbnbしくみと現状の使われ方、副業としての可能性などのほか、旅館業法などの法…

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