今回は、常識外れのゲストによるAirbnbのトラブル事例を見ていきます。※本連載は、Airbnb総合研究会代表、阿部ヨシカズ氏の著書『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』(ソシム)の中から一部を抜粋し、Airbnbを始める際に知っておきたい法律面・契約面のポイントや、想定されるトラブルの解決法などを紹介します。

4人組のゲストに自宅を貸したはずだったが・・・

■100人を集めた大騒ぎパーティで家がメチャクチャに

カナダ・カルガリーのKing夫妻は、Airbnbのトラブルとして歴史に残るほどの大きな被害を受けました。夫妻は、4人組のゲストに週末の間、自宅の一軒家を貸すことにしました。ゲストは、週末に開催される知人の結婚式に参列するために当地を訪れたと説明していました。

 

土曜日の夜、約100人もの大勢の人間が家に集まってくるのが目撃されるや、騒音が漏れてきました。周辺住民の通報によって、警察官が家を訪問して静かにするよう注意を促しました。その時はいったん騒音は収まったのですが、土曜深夜になると一層酷い騒音が街に響き渡り、日曜の早朝には再び警察官が呼ばれました。外からも、家の中が明らかに破壊されているように見えたので、近所の知人がKing夫妻に現状を報告するメッセージを送りました。

 

メッセージを見てあわてて自宅に戻ってきたKing夫妻と警察官が現場検証のために家の中に入ると、それはもう悲惨な状況でした。その時に立ち会った警察官は、27年間の警察官人生でこれほど荒らされた家は見たことがない、と驚いたほどです。集まった約100人の人々は、食べ物をまき散らし、カウチを破壊し、さらには部屋の中で好き勝手に放尿するなど、警察官が「薬物中毒による乱痴気騒ぎ」と表現したほど、家をメチャクチャにしたのです。被害総額は5万ドルから7万5000ドルと見積もられました。

問題のゲストは会員資格を剥奪の上、永久追放

警察は被害届けを受理して、ゲストとして部屋を借りた人間の捜査に乗り出しました。せめてもの救いは、今回のトラブルはAirbnbのホスト保証の適用条件をすべて満たしていたため、迅速に補償の手続きが進められたことです。

 

しかしながら、補償されるのは、あくまでも壊された物の評価額のみです。King夫妻はもちろん、近所の住民が受けた精神的なショックは計り知れないでしょう。

 

当然のことながら、今回の事件の張本人であるゲストは会員資格を剥奪され、Airbnbから永久追放されました。

 

このトラブルは、非常に稀なケースであることは間違いありませんが、今後Airbnbの利用者が世界規模で増えていくと、異常な行動を起こす人が紛れ込まないとも限りません。

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    本連載は、2016年1月12日刊行の書籍『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

    インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

    阿部 ヨシカズ

    ソシム

    Airbnb(エアビーアンドビー)は主に海外からの旅行客に対し民泊の仲介を行うサービスで、日本でも急速に利用者を伸ばしています。 本書では、Airbnbしくみと現状の使われ方、副業としての可能性などのほか、旅館業法などの法…

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