穏やかな税務調査官の雑談「ご趣味はなんですか?」…緊張がほぐれてベラベラ喋った50代サラリーマン→調査の帰り際、告げられた〈追徴課税額〉に愕然【税理士が解説】

穏やかな税務調査官の雑談「ご趣味はなんですか?」…緊張がほぐれてベラベラ喋った50代サラリーマン→調査の帰り際、告げられた〈追徴課税額〉に愕然【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「税務調査」と聞くと、緊迫した雰囲気のなかで取り調べが行われる“怖いイメージ”を持つ人が多いでしょう。しかし、実際は和やかな雰囲気で行われることが多く、世間話で盛り上がることも少なくありません。しかし、一安心して調査官とたくさん話をしてしまうと、後々憂き目に遇うケースも……。本記事ではAさんの事例とともに、税務調査での雑談における注意点について、税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が解説します。

「怖い調査官」ではなくて一安心、話が盛り上がる

2年前に父親の相続があった50代のAさんは、実家に税務調査が来るということで、高齢の母の代わりに対応をすることになりました。

 

Aさんは会社員なので、確定申告も住宅ローンや医療費控除をするくらいで、日常において、税金に深くかかわることはあまりありませんでした。

 

緊張するなか、迎えた当日。一人の穏やかそうな調査官が自宅にきました。年齢は恐らく50歳台くらいで、挨拶も非常に丁寧。Aさんがイメージしていた怖そうな調査官とはまったくかけ離れていました。

 

ひととおり、自己紹介も終えて、Aさんはお茶を出して、向かい合って座りました。Aさんは調査官の穏やかな印象にすっかり緊張もほぐれて、ホッとしました。そしてAさんは話し始めました。

 

Aさん「この家は駅まで遠いので、来られるのは大変だったでしょう。どのような経路で来られたのですか」

 

調査官「ええ、地図で調べましてね。バスがあることがわかったので、駅からバスできました」

 

Aさん「あ~、あそこのバス停ですね。あのバス、一時間に数本しかないからすごく待たれたのではないですか」

 

調査官「そうですね。ちょっと大変でしたね。ところでAさんはいつもどのように行き来しているのですか」

 

Aさん「私たち、バスはまったく使わないですよ。ずっと車ですね。バスだとやはり不便なので。今日も私は車できました」

 

調査官「おお、そういえば、とても立派な車が停めてあるなと思いました。お好きなんですか」

 

Aさん「いえいえ、それほどでも。私は会社員ですから。日ごろはそんなに乗りませんが、父が昔から好きでしてね」

 

調査官「そうですか。なるほど。そうするとあの車はお父様のご趣味なのですか」

 

Aさん「そうなんですよ。私は大してこだわりがないのですが、父が元気なころ、3年前に購入したのですよ」

 

調査官「結構したのではないですか?」

 

Aさん「そうですね。メルセデスのAMGというラインでして父はカタログだけみて、パッと買ったのでびっくりしましたよ。母は乗らないというので、いまでは私が乗っていますが」

 

調査官「そうですか。いやいや、すごいですね。車がご趣味だということですが、車に乗っていつもどこに行かれるのですか」

 

Aさん「父が元気なときは年に4回は旅行にいっていましたね。妻や孫を連れて、私が運転手になることもありました」

 

調査官「そうですか。旅行もお好きなんですね。どんなとこに行かれるのですか。年4回だと結構、お金がかかっていたのではないですか」

 

Aさん「旅行は好きでしたね。特に温泉が好きで、父はリゾート会員権を購入していたのでよく誘ってくれましたね。リゾート会員権は一度購入したらそのあとの宿泊はすごく安く泊まれるのですよ。ですから宿泊代としてはそんなにかかっていないですよ」

 

調査官「なるほど、リゾート会員権ですか」

 

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