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「インフレ圧力」は残り、「インフレ期待」も高止まり

米国のインフレは鈍化しているようだが…

まずは、消費者物価指数(CPI)を確認します。

 

たしかに「前年同月比」でもって、CPIや、もうひとつの物価指標であるPCEデフレーターを測ると、米国のインフレは鈍化しています。

 

ところが、GDP統計に似せるように(なおかつ、トレンドをとらえるために)「3ヵ月移動平均」の「3ヵ月前比」をとると、[図表1]で示すとおり、足元のインフレ圧力が残っている(むしろ底打ちして上向いている)ようにみえます。

 

[図表1]アトランタ連銀算出全米・粘着価格CPI(3ヵ月移動平均値、3ヵ月前比、年率)
[図表1]アトランタ連銀算出全米・粘着価格CPI(3ヵ月移動平均値、3ヵ月前比、年率)

 

ここではアトランタ連銀が算出する『粘着価格CPI』を使っています。粘着価格CPIは、CPI算出対象品目のうち、価格改定頻度が低い品目を集めた消費者物価指数です。

 

たとえば、メディアの定期購読サービスや家賃などは、(毎日や毎週に価格が再設定されるガソリンなどとは異なり)数ヵ月から数年に一度しか、価格変更の機会が訪れません。

 

そうした財やサービスを供給する企業が価格変更を行う際には、それが「価格価格変更の希少な機会」である分、(毎日や毎週に価格変更をやり直せる石油元売り会社やガソリンスタンド事業者などと比べて)、将来のインフレ見込みをより真剣に検討・考慮して値付けを行うと考えられます。

 

こうした考察から、①価格変更頻度が低い品目には、長期のインフレ期待がよりよく反映され、②それらを集計した粘着価格CPIは、(改定頻度が高い品目を含む)通常のCPIよりも、今後の物価動向への示唆が大きいと考えられています。

 

前年同月比でみたインフレ率は鈍化して市場金利は低下、原油価格は昨秋よりも20ドル近く低い70ドル台前半での推移が続いているものの、[図表2]で示すとおり、クリーブランド連銀が算出する期待インフレ率は短期を中心に「横ばい」か「上向いて」います。先ほどの粘着価格CPIのインフレ率と似たような絵です。

 

[図表2]クリーブランド連銀全米・期待インフレ率
[図表2]クリーブランド連銀全米・期待インフレ率

 

米国企業も「価格引き上げ」を予定

さらに、全米自営業者連盟(NFIB)が毎月、参加企業にとっているアンケートに基づくと、【図表3の緑色のライン】で示すとおり、今後3ヵ月において「販売価格を引き上げる」と回答した企業の割合から「販売価格を引き下げる」と回答した企業の割合を差し引いたDI(ディフュージョン・インデックス)がこのところ、上向いています。

 

過去をみると、このDIは前年同月比でみたPCEインフレ率に5ヵ月程度、先行して動きます。

 

[図表3]全米・中小企業の販売価格計画とインフレ率
[図表3]全米・中小企業の販売価格計画とインフレ率

 

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