「金の卵を産むニワトリ」=アパート!?
筆者がリストに書き出した10人の中には、資産が数億円以上ある人もいましたが、だいたいは2億~3億円くらい。年収も2000万~3000万円くらいでした。それだけあれば十分といえるかもしれませんが、外資系企業の役員やトップクラスのお金持ちと比べれば、飛びぬけて年収が高いわけではありません。
しかしその10人にはある共通点がありました。彼らは全員、金の卵を産んでくれる何らかのニワトリを持っていたのです。
その内訳は、次のとおりです。
●上場会社の社長・・・1人
●内科医院の院長・・・1人
●アパート(貸しビルを含む)・・・8人
最初の2人は、上場会社社長夫人と内科医院の院長夫人でした。彼女たちが持っていた「金の卵を産むニワトリ」は、だんなさんです。つまり、たくさん稼ぐ人と結婚したわけで、男の私には、あまり参考になりません。
そうか、と私が改めて思ったのは、その2人を除く8人全員が、アパートや貸しビルのオーナーだったことです。つまり、私がうらやましい生き方だなと思った人の8割が、金の卵を産む「アパート」というニワトリを持っていたのです。
そのニワトリは持ち主に、大きな「経済的な自由」だけでなく、大きな「時間的な自由」をもたらしていました。みんな余裕やゆとりがあって、せこせこしたり、あくせくしたり、切羽詰まっているという感じがまったくなかったのです。
たとえ年収が高くても、いつもそわそわ何かを気にして働きづめの人がいます。それに比べ、ゆったりとした10人の生き方を、私は心の底から「いいなあ」と思いました。
意外にも、最初から土地を持っていた人は少ない
さらに私が目を開かされたのは、8人のうち、最初から土地を持っていたのは4人だけで、残りの4人は、そうではなかったことでした。
土地を持っていた4人はもともと農家の人でした。しかし本人や親の世代に農業をやめており、その空いた土地を見て、建築メーカーなどの営業マンが「アパートを建てませんか?」という話を持ってきたのです。
これは、わかります。いつでもお金に換えられる土地という資産は、大きな金の卵のようなもの。それを受け継ぎ、土地を担保にしてアパートを建てたわけです。
ところが、私が素敵な生き方をしているなと思ったアパート・オーナーの半数は、自分の土地がなかったのに、アパートを持つことができた人たちだったのです。では、彼らはなぜ、どのようにして、アパートというニワトリを手に入れたのでしょう。
この話は次回に続きます。
<ポイント>
経済的にも時間的にも余裕のあるお金持ちの多くは、家賃収入をもたらしてくれるアパートを持っている。