これが“当てはまる受験生”ほど医学部に合格していく。「成績が伸びる人、あまり伸びない人」の決定的差【元医学生講師が解説】

これが“当てはまる受験生”ほど医学部に合格していく。「成績が伸びる人、あまり伸びない人」の決定的差【元医学生講師が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

医学部医学科卒の綿谷もも氏は、医学部受験の失敗例を分析してみると「当たり前のことができていないから合格できなかった」というケースであふれているといいます。「できる人」と「できない人」ではどのような違いがあるのか。本記事では、綿谷氏が現役医大生時代に刊行した著書『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(監修:高梨裕介氏)より一部を抜粋し、「できる人」に変わるためのポイントを解説します。

<前回の記事>「医学部受験に『特別な対策』は必要ない」…元偏差値39・現役医大生が断言するワケ

「成績が伸びる人、あまり伸びない人」の違いはここ

できる人-できない人リストとは、よく伸びる人、あまり伸びない人の特徴をまとめたものです。もともとの成績にかかわらず、「できる人」に当てはまっているほど成績をよく伸ばして医学部に合格していく傾向にあります。

 

全部で19項目あるので、自分はいくつ「できる人」に当てはまっているのかチェックしてみましょう【図表】。
 

出所:綿谷もも著・高梨裕介監修『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』
【図表】できる人-できない人リスト 出所:綿谷もも著・高梨裕介監修『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』

「できない人」から「できる人」に変わるには?

いかがだったでしょうか。「できない人」の項目を見てドキッとした方も少なくないのではないかと思います。

 

安心していただきたいのは、最初から「できる人」である必要はないということです。最初から「できる人」である必要はなく、「できない人」から「できる人」に変わればよいのです。

 

「できる人」になるにあたり、おさえておきたいポイントは3つです。

 

①本質を捉えること

②プロセスに対する覚悟を決めること

③自分で考える習慣をつけること

 

それぞれ説明していきます。

①本質を捉える

できる人ほど本質を捉え、できない人ほど本質的ではない細部のことが気になってしまう傾向があります。

 

例えば、勉強する時はシャーペンがいいのかボールペンがいいのか、ノートがいいのかルーズリーフがいいのかといった質問ばかり浮かんでくる人がいます。しかし、これらはとても些細なことであり、成績の伸びとは一切関係ありません。

 

わかりやすいように極端な例を挙げましたが、受験生を指導していると細部が気になり、本質的でない情報を求めてしまう人は少なくないと感じています。

 

厄介なことに、本質的ではない枝葉の情報ほど「何かすごそう」「真似しやすそう」に見えるため、魅力的に感じることが多いのです。細かい情報に振り回されるほど、本来時間を使うべきところがおろそかになってしまい、結果的に医学部合格まで遠回りをすることになります。

 

繰り返しますが、医学部に合格するための特効薬はありません。枝葉の情報や小手先のテクニックを求めるのではなく、本質を捉えることが大切です。

②プロセスに対する覚悟を決める

難しいことにチャレンジし結果を出すためには、努力するしかありません。

 

医学部は難関であり、小さい頃からずっと勉強してきた人や、ずば抜けて地頭の良い人がたくさん受験する学部でもあります。

 

入試本番、そのような受験生を相手に戦うのですから、特別なアドバンテージを持っていないと自覚している人は、ライバルよりも多く勉強するしかないのです。

 

結果を出すのに重要なのは、医学部に行きたいという強い気持ちではなく、プロセスに対する覚悟です。医学部に行きたい気持ちが強くても、プロセスに対する覚悟がない人はこうです。

 

●医学部に行きたい、でも長時間勉強はしたくない。

●医学部に行きたい、でもスマホもテレビもやめられない。

●医学部に行きたい、でも遊びたい。

 

一方、プロセスに対する覚悟を決めた人はこう考えます。

 

●長時間勉強をするのは辛い、でも医学部に行くためにやる。

●スマホもテレビも見たい、でも医学部に行くためにやめる。

●遊びたい、でも医学部に行くために今は遊ばない。

 

どちらが結果を出すのかは明らかですよね。

 

さて、努力することはもちろん重要ですが、その方向性が誤っていては結果が伴いません。長時間勉強しているのに結果がついてこない人は、努力の方向性がずれている可能性があります。

 

正しい方向で努力するためにも、次に説明する「常に自分で考える習慣」をつけることが大切です。

③自分で考える習慣をつける

自分自身で考える習慣は非常に重要です。自分で考えず現状をしっかりと把握していない場合、努力の方向性を間違えてしまうリスクが高くなります。

 

身もふたもないことを言うと、人のアドバイスって案外アテにならないことが多いです。受験に向けての戦略、具体的な勉強の進め方、スケジュールの立て方など、受験にまつわることのほとんどにおいて、「みんなに当てはまる正解」は存在しません。

 

同じ相談をされたとしても、人によっても、時期によっても、場合によっても回答内容は大きく変わります。

 

大切なことは、まずは自分で考える習慣をつけることです。

 

この時、「自分自身で出した答え」という「結果」が重要なのではありません。

 

自分なりに状況を整理して、「今の自分はこういう状況で、こういう点について悩んでいるんだな。解決するためにはどうしたらいいんだろう」と考える「過程」が大切なのです。

 

自分自身で状況を整理してから質問するのと、何も考えずに質問するのでは、得られるアドバイスの質が大きく変わります。

 

そして、自分で考える習慣をつけると、次第に自律して勉強することが可能になります。指導経験上、自律して勉強できるようになった受験生は本当によく伸びます。

 

自律して勉強できるようになると、正しい戦略をたて、正しい優先順位で勉強を進め、うまくいかないことがあったら適切に修正できるようになるからですね。

 

何も考えずに質問し、言われるがままに物事に取り組む人と、自分で考える習慣をつけて、判断力を鍛えた受験生ではどちらが強いか。その結果は誰から見ても明らかだと思います。

 

 

【執筆】綿谷 もも

医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。

医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。

 

【監修】高梨 裕介

医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師

医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。

中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。

自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。

※本連載は、綿谷もも著・高梨裕介監修の書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(幻冬舎ルネッサンス)より一部を抜粋し、記事化したものです。

医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物

医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物

綿谷 もも(著)
高梨 裕介(監)

幻冬舎メディアコンサルティング

【医学部に「最短距離」で合格する方法、教えます。】 現役医大生(※書籍刊行当時)の筆者が、自身の医学部受験経験、塾の講師として医学部受験生を指導してきた経験をふまえて、医学部受験に「本当に必要なこと」を徹底解…

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