前回は、事業承継の具体的な進め方について説明しました。今回は、事業承継の失敗リスクを事前に診断する「チェックシート」を紹介します。

「はい」の数が多いほど事業承継が難航

ここでは、実際に皆さんご自身の経営される会社について、後継者について、事業承継失敗の危険度を調べるための簡易チェックシートを用意しました。

 

まずは、それぞれの項目について「はい/いいえ」で答えてみてください。

 

このチェックシートの結果で「はい」の数が多いほど事業承継が難航、もしくは失敗してしまう危険度が高いといえます。たとえば、いくつか取りあげてみるだけでも、後継者が社員と関係が悪くなる可能性や、現経営者の経営方針が誰にも理解されておらず、後継者の経営方針を受け入れる土壌がなくうまく承継できない可能性といったリスクが「はい」から認められます。

 

簡単ではありますが、このチェックシートを利用して、自分自身の事業承継に対する考えや姿勢を見直し、正しい手順を踏み、慎重に進めていけば、失敗のリスクを低減できます。

 

【図表1 チェックシート①】

後継者が親族の場合は相続対策も欠かせない

子どもが後継者ということは、事業承継と相続がより密接に関係してきます。実はこれが非常に大きな問題となります。

 

本連載では事業承継に向けた現状把握と、事業承継の基礎知識を習得するための説明をしてきましたが、さらにもうひとつチェックシートを用意しました。これは相続についてのチェックシートです。

 

こちらも、それぞれの項目について「はい/いいえ」で答えてみてください。

 

このチェックシートでは、「はい」の数が多いほど財産分与時にトラブルになる危険度が高いことになります。

 

【図表2 チェックシート②】

本連載は、2016年6月24日刊行の書籍『たった1年で会社をわが子に引き継ぐ方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

たった1年で会社を わが子に引き継ぐ方法

たった1年で会社を わが子に引き継ぐ方法

浅野 佳史

幻冬舎メディアコンサルティング

近年、日本の多くの中小企業が承継のタイミングを迎えています。承継にあたっては、親から子へと会社を引き継ぐパターンが多いのですが、親子間だからこそ起こるトラブルがあることを忘れてはいけません。 中小企業白書による…

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