まずは「区分所有」から始めることになるが・・・
今回は、不動産の特徴を整理してみたいと思います。不動産の種類は、一戸建て、アパート、マンション、オフィスビルなどさまざまです。
個人が投資する場合、オフィスビルを1棟丸ごと買うのはまず不可能なので(何十億円、何百億円とかかります)、一戸建てやマンションの区分所有、アパート1棟などを投資対象とするのが一般的です。
ちなみに区分所有とは、マンションの1室など、建物の一部分だけの所有権を持つという意味です。
最近、サラリーマンでも不動産投資をして大家業を始める人が増えていますが、その多くはワンルームマンションを区分所有するところからスタートしています。
ワンルームマンションであれば、東京都23区内の人気エリアの物件でも、2000万円前後で買うことができます。ということは、ローンを組むと比較的少ない負担で投資できるわけです。したがって、筆者も基本的にはワンルームマンション投資を推奨します。
「実物資産」だからこそ長期的な収入が得られる
不動産が株や投資信託などの金融商品と大きく異なっているのは、実物として目に見えるところです。
今の時代、有価証券はすべて電子化されペーパーレスになっているため、実際に手に取ったり、目で見て確かめたりすることはできません。ただ、パソコンの画面上などで、価値が上がったり下がったりしていることを確認できるだけです。
これに対し、不動産は実際に存在しているので、手で触ることもできれば目で見て確かめることもできます。そのため不動産は「実物資産」といわれ、株や投資信託などは「ペーパー資産」といわれるのです。
「資産」という言葉を使いましたが、株や投資信託、それに保険や預貯金は、資産というよりは「資金」に分類しておくべきでしょう。
資金は使ってしまえばなくなります。それに、ただ放置しているだけではほとんど何も生みません(もちろん、株は配当、投資信託は分配金、預貯金は利息を生みますが、たいていは大した金額ではありません)。
これに対し、不動産は「資産」です。ただ放置しているだけでも、家賃収入という「資」を「産む」からです。その点で、資金に分類される商品群とは一線を画しているわけです。
資金は使ってしまえば終わりですが、資産のほうは長期的な収入を約束してくれます。そのため、皆さんのお金も資金に偏らせず、資産にも振り分けておいたほうが安心といえるのです。