前回は、敷金と礼金の月数から物件の賃貸需要を見極める方法を説明しました。今回は、アパート事業を継続し、成功させるために「キャッシュフロー」が重要な理由について見ていきます。

キャッシュフローを生む元は「ネット利回り」

利回りには、「表面利回り」と「ネット利回り」があります。表面利回りとは、年間の満室時のアパート賃貸料の合計を、物件価格で割ったものです。次の方程式が成り立ちます。

 

表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100

 

これに対し、ネット利回りとは、年間家賃収入から日々のアパート経営にかかる経費(保険料や固定資産税、リフォーム代金等)を引いた数字(=純収入)を、物件価格で割ったものです。

 

ネット利回り(%)={年間家賃収入−経費(保険料、固定資産税、リフォーム代金等)}÷物件価格×100

 

いくら表面利回りが高くても、あまりに古い物件や固定資産税が高い物件では、結果的にネット利回りが低くなります。アパート事業を継続し、成功させるためには、キャッシュフローが何よりも大事です。そして、キャッシュフローを生む元はネット利回りの根拠となる純収入です。しかしこの業界では、ネット利回り表示はまず使われませんので、表面利回りで考えます。

キャッシュフローを生むには10%の表面利回りが必要

キャッシュフローを生むためには、10%の表面利回りが必要となります。アパート事業を行ううえでの一つの基準数値と考えて良いでしょう。ちなみに、大雑把な計算では、純収入の80%(築20年以上の古い物件に関しては70%)が純収入となります。

 

もちろん、立地や築年数、構造等の複合的な要素によって利回りは決まってきますので、ただ利回りが高ければ良いということは絶対にありません。しかし、満室時の表面利回りが低い物件は、そもそも満室という最高の状態でもキャッシュフローが出ないので、本連載で勧めるアパート事業には適していないことがわかります。

本連載は、2012年6月27日刊行の書籍『年収1000万円から始める「アパート事業」による資産形成入門 [改訂版] 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本書は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資の成功を保証するものではなく、本書を用いた運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本書の内容に関して運用した結果については、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

年収1000万円から始める  「アパート事業」による 資産形成入門

年収1000万円から始める 「アパート事業」による 資産形成入門

大谷 義武

幻冬舎メディアコンサルティング

大企業でも倒産する現在、自分の身は自分で守るべく、副収入としての投資を考える人が増えています。 そんななか、アパート事業による資産形成の火付け役となった本書が、改訂版としてパワーアップいたしました。不動産会社の…

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