認知能力の状態に合わせて任意後見契約をスタートさせる方法

前回は、本人の生活状態や健康状態によって選択が可能な「任意後見契約」の3つのタイプについて説明しました。今回は、本人の判断能力の状態に合わせて「任意後見制度」をスタートさせる方法について見ていきます。

定期的な連絡で認知能力を把握する「見守り契約」

まだ判断力がある段階から、財産管理をサポートしてもらえる財産管理契約と並んで、活用を検討したいのが「見守り契約」です。見守り契約とは、任意後見制度が始まるまでの間、任意後見人候補者が本人と電話などで連絡を取り合ったり、定期的に訪問したりする契約です。


定期的に連絡を取り合うことで、本人は健康面の変化や悩みごとの相談をすることができ、後見人となる人の側にも本人の判断能力がどの程度なのかを確認することができるというメリットがあります。


任意後見制度は、判断能力が低下してきたときに、本人や配偶者、四親等以内の親族、あるいは任意後見受任者によって任意後見開始の申し立てを行い、これを受けて家庭裁判所が任意後見監督人を選任することによって、任意後見契約がスタートできる仕組みになっています。

任意後見契約は申し立てによって発動する

任意後見監督人は、裁判所により選任されます。任意後見人が任意後見契約の内容通りに、適正に仕事をしているか、任意後見人に財産目録などを提出させ、監督するためです。任意後見人が親族などで、本人と任意後見人の利益が相反するような法律行為を行うときは、任意後見監督人が本人を代理することもあります。その際、任意後見監督人はその内容について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けることになります。


任意後見契約は申し立てによって発動する仕組みなので、誰かが申し立てをしないことには、契約を生かすことができません。任意後見契約を適切な時期にスタートさせるためにも、見守り契約を結んで、定期的に面談を行ったり電話等で連絡を取り合ったりして、本人の認知能力の状態をチェックしてもらうことは、非常に重要になります。

本連載は、2015年11月25日刊行の書籍『老後の財産は「任意後見」で守りなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載老後の財産を守るための「任意後見」活用術

南青山 M’s 法律会計事務所 代表社員 弁護士/公認会計士

弁護士・公認会計士。南青山M’s法律会計事務所代表。芦屋大学経営教育学部客員教授。
1973年愛媛県生まれ。1995年一橋大学経済学部卒業。2006年成蹊大学にて法務博士号取得。1995年監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入社、上場企業の監査、M&A等に携わる。その後、会計事務所、法律事務所勤務等を経て2009年に南青山M’s法律会計事務所を設立。個人、企業にとって身近な法律問題はもちろん、税務問題、会計問題、それらが絡み合う複雑な問題についても、冷静に問題を分析し、依頼者にとって最も利益となる問題の解決方法を提案、実践している。著書に『ドロ沼相続の出口』(幻冬舎)。

著者紹介

老後の財産は 「任意後見」で守りなさい

老後の財産は 「任意後見」で守りなさい

眞鍋 淳也

幻冬舎メディアコンサルティング

昨今、高齢者を狙った詐欺や「争続」が新聞やテレビなどのメディアで盛んに取り沙汰され、老後の財産管理に対する不安が高まっています。高齢になると判断能力が低下してしまい、望まないかたちで財産を失ってしまうケースは多…

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