今回は、「木造」「RC造」「鉄骨造」のなかで、最も投資効率がいい建築物はどれかを探ります。※本連載は、株式会社Money&Youの取締役、ファイナンシャル・プランナー、DCプランナーである高山一恵氏の著書、『年収400万円からの不動産投資で着実に稼ぐ秘訣』(河出書房新社)の中から一部を抜粋し、話題の物件タイプや特殊な物件の投資価値を、ズバリ評価していきます。

3つの構造のメリット・デメリットを把握

一般的に建物の構造には大きく分けて「木造」「RC造(鉄筋コンクリート)」「鉄骨造」の3種類があります。それぞれのメリット、デメリットをみていきましょう。

 

木造の建物はいわゆる「アパート」を指します。まず、アパートのメリットは、建築費が安いところです。1棟に投資をしたいけど価格を安く抑えたいという人に向いています。

 

また、修理や大規模修繕が比較的簡単にでき、老朽化した際の取り壊しも多額の費用をかけることなくできます。ですから、最終的にはアパートを取り壊して更地にして売却するということもできます。さらに、木造の法定耐用年数は22年なので1年あたりの減価償却が大きくなるので有利に節税できます。

 

一方、デメリットは、耐用年数が短いので長期のローン融資が下りにくいことです。

 

前章で不動産投資においては、長期的なローンを組める方が投資収益が安定すると述べましたが(本書籍をご覧ください)、木造物件はそもそも耐用年数が短いので長期のローンを組むことができません。

 

[図表]木造とRC造と鉄骨造の比較

 

 

ただし、最近では、金融機関によっては木造でも長期のローンを融資するところも多くなってきているので情報を収集してみましょう。

 

また、木造アパートは全体的にコスト重視で安い材料を使うことが多いので、壁なども薄く、隣室や上下階から苦情がでやすいという特徴があります。さらに、地震や火事が発生した際にはアパートの建物自体、全壊、全焼するケースもあります。

 

次にRC造の建物ですが、こちらはいわゆる「マンション」を指します。メリットは、堅固な構造で建築されるため、地震や火事に強いところ。大規模な物件も多いので、大規模な1棟投資が可能です。

 

また、新築であれば法定耐用年数は47年と長いため、多少の中古物件になっても30年の長期ローンを組める可能性があります。さらに、耐用年数が長いため、購入してから数十年にわたり保有し続けることができます。

 

一方、デメリットは、全体的にコストが高いところです。マンションの場合、エレベーターを設置することが多くなりますが、多額な電気代や保守点検費用がかかります。また、固定資産税などの税金が高かったり、建物が堅固で丈夫な分、解体する場合には多額の費用がかかったり、大規模修繕や建て替えのコストが高くつくため容易にできません。また、法定耐用年数が長いため、1年あたりの減価償却費が低くなります。

 

鉄骨造は、木造とRC造の中間と捉えていただければよいでしょう。

長期のローンを組めるなら「木造」に軍配!?

それぞれメリット、デメリットがありますが、これらのうち投資効率がよいのはどれでしょうか?

 

不動産投資においては、家賃収入が売り上げとなり、そこから経費を引いた部分が純粋な利益になります。ですから、家賃収入が多くても経費がかさむようでは投資効率としてはよくないでしょう。また、減価償却費を活用して税引き後の手取りの利益を調整し、手元に残るお金をできるだけ多くしたいところです。

 

これらの投資効率の面からいうと、長期のローンを組めれば、木造に軍配が上がるケースが多いようです。

 

なぜなら、「1年あたりの減価償却費が大きい」ので会計上の赤字が計上でき、税引き後の最終的に手元に残る金額が大きくなるからです。また、固定資産税や修繕費、保守費などがRC造に比べると大幅に安いので、毎月の実収入もRC造に比べて多くなります。

 

<POINT>

長期間のローンを組めれば、木造の投資は比較的効率がよい

 

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高山 一恵

河出書房新社

不動産投資を始める際、リスクを最小にするための注意点とは? 投資セミナーで多く寄せられる疑問に、失敗事例もふまえ、ファイナンシャル・プランナーならではのバランス感覚で回答します。

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