今回は、投資対象として「借地権物件」を見た場合のメリット・デメリットを解説します。※本連載は、株式会社Money&Youの取締役、ファイナンシャル・プランナー、DCプランナーである高山一恵氏の著書、『年収400万円からの不動産投資で着実に稼ぐ秘訣』(河出書房新社)の中から一部を抜粋し、話題の物件タイプや特殊な物件の投資価値を、ズバリ評価していきます。

立地がよく広い物件を、安く手に入れることが可能

都心部の築浅物件で時々利回りが高い物件をみかけますが、よく確認してみると、「借地権物件」ということがあります。

 

借地権物件は、借り物の土地なので固定資産税や都市計画税といった税金がかかりません。ですから立地もよく広い物件を安く手に入れることができ、家賃も高めに設定することができます。融資が下りるのであれば狙い目物件といえるでしょう。

 

そもそも借地権とは「自分で土地を取得せず地主から土地を借りて、その上に建物を建てて使用する権利」のこと。建物のみ登記することができ、売買する場合は地主の許可を得て「借地権付き建物」という形で取得します。

 

借地権は、実は借り手側に有利な権利です。通常は、地主の都合で更新を拒絶されることはないため、数世代にもわたって借地権物件に住み続けているというケースも少なくありません。

 

知り合いの地主さんが「自分の土地でも人に貸し付けたら結局自分のものじゃなくなる」といっていましたが、それだけ、借り手側の権利が守られているわけです。ただし、基本的に定期借地権の場合には更新ができず、期限がきたら更地にして地主に返還する必要があります。

売却までに時間がかかる、更新料や地代が必要

利回りからみても狙い目の借地権物件ですが、もちろんデメリットもあります。借地権の物件は、所有権の物件に比べて融資が下りにくい傾向にあり、人によっては借地権の物件を敬遠するので、いざ売却したいという場合でも、売却までに時間がかかる可能性があります。

 

また、借地権の物件の場合、気になるのは「更新料」と「地代」です。更新料は地主との話し合いで決まるケースが多いのですが、一般的には土地を更地にした場合の価格の5〜10%です。

 

資産価値の高い好立地なところであればあるほど土地の価格も高いので、仮に土地の価格が5000万円だった場合、5%といえども250万円も支払うことになります。

 

他にも、契約期間中に建替えや売却をする場合には地主の許可と建替え承諾料、譲渡承諾料が必要になります。

 

それぞれの物件で契約内容が違うのでよく確認し、これらの費用を支払っても投資として成り立つのかどうかを見極めるようにしましょう。

 

そして、毎月地主に支払うのが「地代」です。一般的には「固定資産税の何倍」と定められることが多いのですが、物件によっては契約書に金額が定められているものもあります。地代は毎月のランニングコストなのでしっかりと確認するようにしましょう。

 

<POINT>

利回りが高めに見込め、検討する価値は十分にある

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