「安く借りられるなら気にしない」という人も多い
私のお客様のなかには、たまにマニアックな方がいらして「自殺物件は安く取得できそうだから投資効率としてはよいのではないか、事故物件に絞って探している」という方がいます。確かに、自殺物件を調べてみると、相場の2〜3割程度の物件価格になっていることが多いようです。
知り合いの不動産会社の方に聞いてみたところ、最近は、自殺物件、いわゆる「事故物件」への問い合わせも多くあるとのこと。
確かに物件価格は安く取得できるかもしれませんが、賃貸の募集をするときには、「自殺物件」であることをきちんと伝えることが必要になります。私自身は自殺物件だとわかっているところをわざわざ借りるかというと躊躇してしまいますが、実際には気にしない人も多いそうです。
というのも、自殺物件の家賃は通常の2〜3割程度安くなるからです。「安く借りられるのであれば、過去のことは気にしない」という、低所得の若い世代の単身者や外国人などの需要があるそうです。
状況によっては、リスクが非常に大きくなる場合も
自殺物件といっても、自殺の仕方や、その部屋で自殺が行なわれたのか、部屋の外で自殺をしたのかなど、さまざまなパターンがあります。
例えば、病気で悩んでいて必要以上に薬を多く飲み過ぎてしまったために中毒を起こして亡くなってしまったのか、首吊り自殺をして亡くなったのかなど、ケースによってその物件に対する印象は大きく違うはずです。
前者のようなケースであれば、家賃を安めに設定することで1〜2か月程度で賃貸人がつくということも少なくないそうです。もちろん、自殺の状況によっては、部屋の原状回復に時間がかかるので、当分その部屋は貸せなかったり、回復の状況によっては多額のお金がかかったりといったリスクがあります。
とはいえ、前述したとおり、自殺物件といっても一定の需要はあるので、選択肢として論外というわけではありません。
ただし、殺人事件が起こった物件となると、話は別のようです。殺人事件が起こると、テレビや新聞で報道されてしまうため、他の入居者が一斉に出ていってしまったり、売却するときにも価格が相当下がってしまったりと、一気にリスクが大きくなってしまいます。
<POINT>
亡くなり方の状況によっては、穴場の投資物件になる