今回は、クルーズ旅行に役立つ「乗船料金に関する用語」を解説します。※本連載は、外国客船「オーシャニアクルーズ」の乗船コーディネーターである喜多川リュウ氏の著書、『極上のクルーズ手帖』(クルーズトラベラーカンパニー)の中から一部を抜粋し、クルーズ旅行の予約から、下船までの基礎知識を紹介します。

乗船料金=「ふたりで1室を利用した場合のひとり分」

●乗船料金

 Cruise Fare

 

客船に乗船するための料金。乗船料金(予約金、残金)はドル建てやユーロ建てなので、円換算での請求が一般的だ。換算レートには銀行のキャッシュセリングレートなどが適用される。また、クレジットカードでの決済を受ける船会社もある。乗船料金から予約金を差し引いた残金は一定の期日までに支払う。

 

注意したいのは以下の2点だ。1点目は、乗船料金は通常「ふたりで1室を利用した場合のひとり分」で表示されている。1部屋をひとりで占有する場合には追加料金(シングルサプリメント)がかかる。また同室の3、4人目は若干割安になることが多いが、3、4人を収容できる客室数には限りがあるので、早めの予約が欠かせない。エキストラベッドやソファベッドでの対応となり、部屋も手狭になる。

 

2点目は、乗船料金の中に何が含まれているかは船会社によってかなり異なるということだ。ポートチャージ、船内チップ、アルコール飲料代、エクスカーションなどが船会社によって異なる項目だ。一般的にカジュアルクラス客船は乗船料金に含まれていない部分が多く、ラグジュアリークラス客船では、含まれている部分が多い。

 

●シングルサプリメント(ひとり参加料金)

 Single Supplement

 

1室をひとりで占有する場合の差額のこと。「150%」や「200%」などと「ふたり1室利用の場合の乗船料金」からの倍率で表記される。ふたりでの利用を前提に料金設定はなされているが、ひとりでも同じスペースを占有するので割高となる。ノルウェージャンクルーズラインには、ひとり参加をターゲットにした「シングルルーム」がある。

 

●ポートチャージ

 Port Charge

 

港湾施設使用料。客船が入出港する際に発生する諸費用(水先案内料、曳船料、岸壁使用料、浮標使用料、網取り放し料、トン税など)を合わせたものを言う。ポートチャージを乗船料金2に含んでいる船会社と含んでいない船会社とがあるので、予約時には確認が必要だ。

最近ではチップを「自動的に」徴収する会社が増加

●船内チップ

 Tip / Gratuity

 

かつては船旅の最終日に手渡しをするのが習わしだったサービススタッフに対してのチップだが、最近では乗客への便宜(小銭の準備や受け渡しの手間を省く)をはかるため、自動的に定額を徴収するシステムをとる船会社が増えてきている。毎日の船内会計にひとりにつき10~15ドル程度が自動的に加算される。

 

もちろん、この金額はサービスの良し悪しによっては増減も可能だ。これがキャビンアテンダントとレストランスタッフに公平に分配される。ちなみに、チップは英語の「ToInsure Promptness」の頭文字を取ったものである。直訳すると、「迅速な仕事の代償」となる。

 

●燃油税

 Fuel Surcharge

 

燃油価格の急騰により、当初設定した乗船料金では運航のための燃料費がまかなえない場合の対応措置として取り入れられた税。乗船料金とは別建てにて追加徴収されるが、対応時期や料率は船会社によって異なる。客船に限らず、航空輸送、陸上輸送でも取り入れられている。燃油価格の下落により、2010年以降はほとんどの船会社で廃止している。

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