前回は、海外不動産投資を行う際の銀行・税理士の活用術について取り上げました。今回は、経済成長率、人口増加率などの指標から「東南アジア」の有望な投資先について見ていきます。

経済成長率が世界平均」より高い国に絞る

さて、様々な注意点を紹介しましたが、それらのハードルを鑑みても十分魅力がある東南アジアへの不動産投資です。とはいえ、東南アジアの国ならどこでもいいわけではありません。

 

東南アジアの経済、社会、文化面での地域協力を目的としているASEANにはタイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアの10か国あります。そのなかで特に高い経済成長率と人口増加率、そして今後のある程度大きな市場規模と安定した経済基盤を期待できる国はどこか、指標となる様々なランキングを見てみましょう。なお、人口40万人程度と極端に少ないブルネイは除いています。

 

〈経済成長率〉

1位:ミャンマー 7.03%

2位:ラオス 7.01%

3位:カンボジア 6.92%

4位:ベトナム 6.68%

5位:フィリピン 5.81%

6位:マレーシア 4.95%

7位:インドネシア 4.79%

8位:タイ 2.82%

9位:シンガポール 2.01%

日本:0.47%

 

(IMF『World Economic Outlook Databases』2016年4月版より)

 

経済成長率に関しては世界平均が3%程度ですから、そこから明らかに高くなければ魅力はありません。そこで残るのは、1位のミャンマー(7.03%)から7位のインドネシア(4.79%)になります。

 

投資先として有力な「4か国」とは?

〈人口増加率〉

1位:カンボジア 31.9%

2位:ラオス 19.6%

3位:シンガポール 19.3%

4位:フィリピン 18.1%

5位:マレーシア 1.2%

6位:インドネシア 11.9%

7位:ベトナム 9.0%

8位:ミャンマー 8.1%

9位:タイ 2.2%

日本:マイナス1.55%

 

〈2020年時点の人口予測〉

1位:インドネシア 2億6941万3000人

2位:フィリピン 1億1040万3000人

3位:ベトナム 9705万7000人

4位:タイ 6785万7000人

5位:ミャンマー 5612万4000人

6位:マレーシア 3285万8000人

7位:カンボジア 1894万6000人

8位:ラオス 765万人

9位:シンガポール 605万7000人

日本:1億2538万1000人

 

(国連『World Population Prospects: The 2012R evision』より)

 

2020年時点の人口予測は市場規模を表します。現在の東京都の人口はおよそ1300万人ですから、最低でも同等の人口は欲しいところです。そこでラオスが抜けます。

 

〈名目GDP(国内総生産USドル)〉

1位:インドネシア 8589億5000万ドル

2位:タイ 3952億9000万ドル

3位:マレーシア 2962億2000万ドル

4位:シンガポール 2927億3000万ドル

5位:フィリピン 2919億7000万ドル

6位:ベトナム 1914億5000万ドル

7位:ミャンマー 669億8000万ドル

8位:カンボジア 181億6000万ドル

9位:ラオス 125億ドル

 

(IMF『World Economic Outlook Databases』2016年4月版より)

 

最後は同じく市場規模を表す名目GDPです。7位以下は極端に少なくなるので対象から外すべきです。すると最終的に残るのは、以下の4か国となります。

 

●マレーシア

●ベトナム

●インドネシア

●フィリピン

 

この記事は、次回に続きます。

 

 

海外不動産で資産を増やす! 医師のためのフィリピン・カンボジア投資

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大山 一也,織田 耕平

幻冬舎メディアコンサルティング

これまで医師のための不動産運用について様々なテクニックを紹介してきた著者が、更なる資産形成へのステップアップとも言うべき「海外不動産投資」のノウハウを公開。 近年急成長を遂げるアジア新興国、なかでも注目のフィリ…

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