前回は、なぜフィリピンが不動産の投資先として有望なのかを解説しました。今回は、世界中の有名企業が注目するフィリピン経済の大いなる可能性について見ていきます。

アメリカを超える、世界トップのビジネス英語運用能力

近年になり、多くの外資系企業は長年背を向けていたフィリピンに注目をしています。これには前述のクリーンな政治など様々な理由がありますが、特徴的なものとしては3つあります。

 

1.フィリピン経済区庁

 

1995年、外資系企業の誘致のためフィリピン経済区庁(Philippine Economic Zone Authority、通称PEZA)が設置されました。経済区内に進出した企業は法人税が最長8年間減免されます。また、海外から持ち込んだ原材料や生産設備に対する関税も免除されます。

 

2.流暢な英語

 

フィリピンは、アジアでは唯一の英語を第二公用語とする国です。その識字率は約94%。2012年にアメリカのGlobal English社が行った調査によると、フィリピン人のビジネス英語運用能力はアメリカより上の1位でした。

 

フィリピンは、その強みを活かして英語圏の企業からコールセンターなどBPOの拠点として注目を集めています。BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略で、自社の業務を外に委託することをいいます。代表的な業務としてはコールセンターのほかにソフトウェアのプログラミング、事務代行などがあります。

 

2014年度BPO産業の売上高は前年度比18.7%増の184億ドルまでに成長してきました。そのなかでも約6割を占めるコールセンター事業の売上高は100億ドルで、GDPの約3.5%となっています。日本でGDP3.5%といえば電力業や銀行業に相当します。同事業には、JPモルガンやシティバンク、マイクロソフトなど世界の名だたる企業が進出しています。

 

新興国が発展するには、農業や天然資源頼みの第一次産業を中心とした経済から工業やサービス業といった第二次・第三次産業を中心とした経済への変革が必須です。

 

フィリピンは、BPO産業の成長によりサービス業の就業者の割合が次のように高くなっています。

 

・農林水産業:29.5%

・鉱工業:15.9%

・サービス業:54.6%

 

(2016年1月15日発表、外務省「最近のフィリピン情勢と日・フィリピン関係」より)

 

外資系企業を引きつける、安価で豊富な労働力

3.豊富な労働力

 

世界の工場と呼ばれた中国の驚異的な成長を見ても分かるように、外資系企業にとって安価で豊富な労働力は非常に魅力的です。

 

フィリピンの人口は、2014年7月に1億を突破し、世界12位となりました。ASEANではインドネシアに次ぐ2位の規模。出生率は3.04%(2013年)とASEANで1位です。このように豊富な労働力が確保できる状況でありながら、人件費は依然として比較的低いところが外資系企業を引きつけています。

 

前述した人口増加率は、4位(18.1%)でしたが、1位のカンボジア(31.9%)と2位のラオス(19.6%)は経済規模が小さい、3位のシンガポール(19.3%)は日本と同様にすでに成熟した市場となっています。

 

さらに、フィリピンの人口増加は2020年以降も続きます。国連が発表している人口中位推計によると2028年に1億2300万人に達し日本を追い抜き、その後も2091年までは安定して増え続けるとしています。

 

また、平均年齢は24.2歳(2015年時点)と若く購買意欲も旺盛であり、GDPの70%を個人消費が占めるという内需の強さも経済成長の鍵となっています。

 

 

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