前回は、「顧客本位の業務運営に関する原則」の定着に向けた具体的な取り組みについて解説しました。今回は、その定着に向けた金融庁の取組みを見ていきます。

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取組方針を公表した金融事業者のリストを公表

今回は、8月1日に金融庁から公表された「顧客本位の業務運営に関する原則」を採択し、取組方針を公表した金融事業者のリストの公表(第1回)について見ていきます。

 

金融庁では、平成29年3月30日に公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」(以下「本原則」)において、本原則を採択した金融事業者に対し、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・公表することを求めています。あわせて公表した金融庁としての本原則の定着に向けた取組みにおいて、金融事業者の取組みの「見える化」を促進する観点から、「取組方針」を策定した金融事業者のリストを金融庁ホームページ上で公表することとしています。

 

今般、平成29年6月末までに本原則を採択し、取組方針を公表した金融事業者のリストを取りまとめ、公表しました。本原則を採択し、取組方針を公表した金融事業者について、業態別に分類した結果は、以下のとおりです(※平成29年8月1日更新)。

 

●都市銀行等:50
●地方銀行、第二地方銀行及びこれらの銀行持株会社:101
●協同組織金融機関等:6
●保険会社等:74
●金融商品取引業者等:238
(合計):469

 

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成果指標(KPI)の好事例とは?

多くの金融事業者が「顧客本位の業務運営に関する原則」を採択して、取組方針を策定・公表し、また、取組方針と併せて、顧客本位の業務運営の定着度合いを客観的に評価できるようにするための成果指標(KPI)についても、一定数の金融事業者が公表しました。金融庁としても、これらの策定・公表を働きかけてきたところであり、こうした動きを歓迎しています。


KPIの内容については様々ですが、その中には投資信託の販売方針等を踏まえて、その金融事業者が目指す販売等の方向が端的に示されると考えられるKPIも見られるとし、以下のような事例を好事例として発表しています。

 

(参考)KPIの好事例と考えられるもの


●投資信託の販売額上位10銘柄
●投資信託販売に占める毎月分配型の販売額とそれ以外との比較
●投資信託残高に対する分配金の割合
●投資信託販売額に占める自社グループ商品の比率
●インベスターリターンと基準価額の騰落率との差
日々のファンドへの資金流出入額と、期首及び期末のファンドの純資産額から求めた内部収益率を年率換算したもの。

 

上記のような好事例等も踏まえながら、公表の促進、また既に公表している金融事業者への更なる改善を求めています。金融庁は、業務運営の実態を引き続きモニタリングし、金融事業者の主体的な取組みをフォローしていく姿勢を見せています。次回については、平成29年9月末までの状況を10月中に公表する見込みで、継続して公表するようです。

 

「顧客本位の業務運営に関する原則」の取組みは、始まったばかりです。わが国で人口減少や高齢化等が進むなか、これまでに蓄積された国民の富を安定的に増大させていくことが、重要な課題となっています。

 

国民の安定的な資産形成を図るためには、金融商品の販売、助言、商品開発、資産管理、運用等を行う全ての金融機関等(金融事業者)が、インベストメント・チェーンにおけるそれぞれの役割を認識し、顧客本位の業務運営に努めることが重要であり、金融事業者に課された社会的責任は大きいと思われます。

 


金融事業者の方には、本原則に正面から向き合い、真に顧客の最善の利益を図ることができる業務運営のあり方を追求することを期待したいと思います。

 

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本連載は、一般的な投資信託の仕組みなどを紹介することを目的にしています。投資を促したり、筆者が所属する「幻冬舎アセットマネジメント」に勧誘することを目的としたものではありません。また、投資にはリスクがあります。リスクに十分に考慮をして、投資判断を行ってください。本連載の内容に関して投資した結果につきましては、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

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