自立したはずの子どもが親の元に戻り、共同生活を始めるというケースは少なくありません。特に親が高齢である場合、金銭面だけでなく精神的な負担が大きくなることもあり、それまでの平穏な生活が崩壊してしまうことも……。本記事では、年金月23万円の80代夫婦の事例をもとに、老後資金を用意する重要性についてCFPの山﨑裕佳子氏が解説します。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「父さん、ただいま…」年金月23万円の80代夫婦が直面した「老後崩壊」の地獄…キッカケは、35年ぶりに帰郷した〈氷河期世代・53歳息子〉【CFPの助言】
家族だけで抱え込まず、「公的支援」を活用したライフプランの再構築を
問題を家族だけで抱え込まずに、専門機関や公的支援を積極的に活用することも大切です。
介護関係は、地域包括支援センターや、市区町村の介護保険窓口へ相談をしてください。入院中に要介護認定の申請やケアマネージャーの選定などの手続きを進めておくと、退院後の生活がスムーズです。
息子を不憫に思う親心は自然なことですが、過度な依存関係が続けば、結果としてアツシさんの将来の選択肢を狭めてしまうことにもなります。
アツシさんが再就職に積極的に動けない場合には、各自治体に設置されている「自立相談支援窓口」への相談もひとつの方法です。専門の相談員を間に挟むことで親子間の感情的な対立を回避しながら現実的な一歩を踏み出せます。
今ある預金は夫婦二人の将来の医療、介護、終末期費用、住宅の維持管理費として確保しておくべき資金と捉えて親子で共有することが重要であると言えます。
問題の解決方法は「親が子どもを突き放すか」「すべてを背負うか」の二択ではなく、公的機関や専門家の支援を活用して選択肢を増やすこと。そして、親子それぞれが自分の生活の基盤を整えることです。
山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP®
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