年収1,800万円・52歳外資系サラリーマンが妻に隠れて通う〈本当の行き先〉

タケシさん(仮名・52歳)は、専業主婦の妻・カオルさん(仮名・50歳)、長女(20歳)、長男(17歳)と23区内のタワーマンションに住んでいる4人家族です。

タケシさんはパリッとしたオーダーメイドの高級スーツに身を包み、いつもと変わらず「じゃあ、行ってきます」とカオルさんに挨拶を済ませ、朝7時に家を出ていきました。

しかし、会社とは反対方向の電車に乗り込む日々がもう3ヵ月続いていました。行き先は、自宅から電車で40分ほどゆられた先にある駅前のカフェです。

実はタケシさんは、3ヵ前に勤めていた外資系企業を退職済みだったのです。退職は本意ではなかったため、家族にまだ打ち明けられていません。

退職の理由は、会社の組織編成によりタケシさんの所属部署が解体されることになったこと。タケシさんは子会社への出向を打診されましたが拒否しました。自分ほどの人間が就く仕事内容ではないと思ったからです。その結果、会社から遠回しに「リストラ」を宣告されたのです。

退職前のタケシさんの年収は1,800万円。年俸制のためボーナスはなく、手取り収入は毎月約100万円でした。

「住宅ローン月33万円」を抱えながら、エリートのプライドで転職難航

タワーマンションの購入を決めたのが25年前で、住宅ローンの返済額は月33万円。68歳まで返済が続く予定です。いわゆる億ションでしたが、当時の収入には見合った買い物だと考えていました。

住宅ローンと二人の子どもの教育費が必要であるにもかかわらず、タケシさんが出向を受け入れることなく仕事を辞める決断をしたのには、自分の能力に自信があったからです。「自分ほどの実力があれば、すぐに次の就職先が見つかるはず」と考えてのことでした。

家族には余計な心配をかけたくないという思いから、退職の事実は、次の就職先が決まり次第報告しようと思っていました。

ところが、50代という年齢のせいか、希望年収が高すぎるからなのか、タケシさんの転職活動は思いのほか難航します。

複数の転職サイトへ登録もしましたが、今のところ希望に合うスカウトはありません。そのため、退職から3ヵ月が過ぎても、カフェで求人サイトを眺める日々を送っていたのでした。