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「いつまで働き続ければいいのか…」消えない不安
高橋さんにとって、悩ましいのは娘と孫を支えること自体ではありません。同居がいつまで続くのか、経済的援助をいつまで続けなければならないのか、そして自分たちの老後資金が足りるのか、見通しを立てられないことでした。
現在の月支出は25万円ほど。娘からは生活費として月7万円(障害年金や児童手当等の合計)を受け取っています。そこに高橋さんの月収を加えると、多少家計に余裕が出てきます。
65歳で仕事を辞めたらどうでしょう。受け取れる予定の年金は月17万円。家計はぎりぎりで、貯蓄の取り崩しが常態化しそうです。
娘の体調が回復し、再び働けるようになる可能性はあります。しかし、いつになるのかはわかりません。孫の進学費用まで考えると、今後の支出を簡単に見積もることもできません。
「孫の大学卒業まで面倒をみる――最近は覚悟を決めています。でも、その頃には私たちもかなりの年齢です。そこまで支えられるのか、先行きがあまりに真っ暗で不安しかありません」
高橋さんは、65歳で仕事を辞める予定を見直すことにしました。今の会社では1年更新にはなるものの、70歳まで働くことができます。年金を受け取りながら、可能な限り働き続けるつもりです。収入を確保できれば、まずは安心です。心配なのは体力や健康の面。年齢的に高橋さん自身もいつまでも働けるとは限りません。
生命保険文化センター『2025(令和7)年度 生活保障に関する調査』によると、高齢者夫婦の最低日常生活費は月額平均23.9万円と試算されています。一方で、ゆとり費の使途で「子どもや孫への資金援助」を挙げる人は16.3%にとどまり、老後不安の理由も「公的年金だけでは不十分」が79.8%を占めます。
さらに同センター『2024(令和6)年 生命保険に関する全国実態調査』によると、要介護時の必要資金は平均3,298万円に上ります。夫婦2人の標準的な生活費にこうした「不測の子孫援助」や「介護リスク」が重なると資金はいくらあっても足りず、老後資金計画の見直しは避けられません。就労の継続や公的支援の活用を含めた柔軟な資金計画の再設計が求められます。