入学祝いやお年玉、進学資金の援助額など、目に見える「金額の差」として突きつけられる孫差別は、受ける側にとって耐えがたい屈辱となります。愛情の多寡が金銭格差として可視化されたとき、深刻なトラブルに発展していくことも……。事例を見ていきましょう。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。
「葬式に来るな!」…孫を溺愛していた祖母の死後、年金暮らしの74歳祖父が息子一家を〈門前払い〉した理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

孫差別、きょうだい間の不均衡による代償

内閣府『高齢者の経済生活に関する調査』によると、子や孫の生活費を「一部またはほとんど負担している」と回答した高齢者は約25%にのぼります。子や孫の教育費や生活を支援しているシニアは多いでしょう。

 

しかし、その支援が「特定の子や孫」へと偏った瞬間、家族関係が壊れてしまいます。

 

「長男の孫だから」「遠方でたまにしか会えないから」と、特定の子ども一家だけに多額の金銭を注ぎ込む行為は、親にとっては純粋な好意であっても、ほかのきょうだいにとっては露骨な「愛情の格差」として映ります。とりわけ、日々の買い物や通院、過酷な介護といった泥臭い役目を一身に引き受けている側からすれば、負担を一切背負わず甘い汁だけを吸い続ける親族の存在は、我慢の限界を超えた不条理でしかありません。

 

シュンジさんとマオさんのケースでは、「看取り」という極限状態を乗り越えた直後、それまで親のためにと辛うじて飲み込んできた怒りや悔しさは、一気に爆発してしまったのかもしれません。結果として、偏った愛を黙認してきた家族は憎悪の板挟みとなり、家族関係の崩壊という最悪の結末を迎えることも。

 

子や孫を想う気持ちは尊いものですが、援助のあり方に公平さと節度を欠けば、それは家族を分断する凶器にもなり得ます。家庭内の不均衡を放置すれば、最終的に自分の首を絞める結末が待っているということを、援助を行うシニア世代は重く受け止める必要があるのかもしれません。

 

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