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年金生活に入っても変わらない節約習慣…孫との食事で妻が漏らしたひと言
定年退職後、収入が年金中心になると、現役時代と同じようにお金を使うわけにはいきません。生活費を管理し、将来の医療費や介護費用に備えることは大切です。ただ、節約を優先するあまり、行き過ぎてしまうケースも。
神奈川県在住の小林茂さん(71歳・仮名)は、妻の恵子さん(69歳・仮名)と2人で暮らしています。茂さんはメーカーに長年勤め、60歳で定年を迎えました。再雇用で65歳まで働いた後、現在は公的年金を中心に生活しています。
茂さんの年金は月17万円、夫婦の年金収入は合わせて月25万円ほど。住宅ローンは完済しており、退職金と現役時代の貯蓄も残っています。それでも茂さんは、退職後の支出を厳しく管理してきました。
「会社員のころは、毎月の給料が入ってきましたからね。でも今はそうはいきません。いったんお金を使えば戻らない。できるだけ貯蓄には手を付けないことが、老後の安泰のためには必要と考えていました」
食料品は特売日にまとめ買いし、外食は基本的にしません。夏の冷房代は仕方がないにしろ、冬の暖房代は服を重ね着すれば何とかなる。日用品も、まだ使えるものは買い替えません。
恵子さんも当初は、夫の考えに理解を示していました。老後は何かとお金がかかります。2人で長く暮らしていくためにも、無駄な支出を減らすことに異論はなかったといいます。
しかし、退職から6年が過ぎたころ、恵子さんは少しずつ不満を募らせるようになりました。
きっかけの一つは、近くに住む娘夫婦と孫の存在です。娘には小学生の子どもが2人おり、外食はしない主義の茂さんも孫とは別でした。しかし、茂さんはいつも安さを優先します。
誰かが店を挙げても「高いからダメだ」と却下。孫が食べたいと言ったメニューも「高いから、安いのにしなさい」と変更を求める。挙句の果てには「やっぱりお金がもったいない。家で食べれば安く済む」と、外食の計画そのものが消えることもありました。
「孫にお金を使いすぎる必要はないでしょう。これから先、何があるかわからないんだから」
茂さんはそう説明します。本人にとっては、家族を困らせないための備えでもありました。
ところが、ある週末、娘家族と回転寿司に来たときのこと。孫が「まぐろ(一皿220円)取って」と要求。茂さんは「こっちのほうが安いから」と、別の皿(一皿110円)を渡したといいます。
その様子を見て、恵子さんは激怒。「いい加減にして! 陽葵(ひまり)ちゃんの前でみっともない」とピシャリと言い放ちました。一瞬、張り詰めた空気が漂いましたが、その場ではそれ以上言い争うことなく店を出ました。