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年金受給日に突き付けられた「家賃引き上げ」の現実
年金の振り込みは、基本的に偶数月の15日。それとほぼ同時期に、家賃の引き上げの通知が届きました。口座に年金が入金されたことを確認した隆さんは、家賃の通知を見返し、思わず冒頭の言葉を口にしたといいます。
「年金が入ったと思ったら、今度は家賃が上がる。何のために真面目に働いて、保険料を払ってきたんだか……わからなくなってきました」
もちろん、年金制度は老後の生活を支えるためのものであり、現役時代と同じ生活水準を必ず維持できると約束するものではありません。受け取れる年金額も、加入期間や現役時代の賃金などによって異なります。それでも、長年保険料を納めてきた人にとって、老後の生活を支えるはずの年金が入ってもなお働き続けなければならない状況は、簡単に割り切れるものではないのかもしれません。
「もっと家賃の安いところに移ればいい、と言われるかもしれません。でも、引っ越しにもお金がかかります。仕事を続けるなら通勤のことも考えなければいけない。結局、今の部屋に住み続けるのが現実的なんです」
いつまで働けるかはわからない。体が動くうちは働くつもりだが、ずっと今の収入を得られるとは限らない。年金をもらえる年齢になったら安心できると思っていたが、先のことを考えると不安だ――。
老後の家計を考える際、年金額だけで生活できるかどうかを確認することは欠かせません。しかし、住居費のように簡単には減らせない支出がある場合、収入と支出の差額だけでなく、将来にわたって支払いを続けられるかという視点も必要になります。
内閣府『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査』によると、働く高齢者の55.1%がその主な理由に「収入のため」を挙げています。また、経済面での不安要素として「物価が上昇すること」を挙げた人は74.5%に達し、現在の暮らし向きについて「心配(ゆとりがない・苦しい)」と感じている人は30.7%。多くの高齢者が、年金受給後も物価高や家賃等の固定費負担から働かざるを得ない厳しい現実にさらされています。