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息子の家計事情を知り、考え始めた資産の使い道
旅行を楽しんだことを後悔はしていません。それでも、息子夫婦が家計のやりくりに苦労していると知り、自分たちのために使うことだけを考えていればよいのか、疑問を感じるようになりました。
「これまでは、自分たちの老後資金を確保できていれば大丈夫だと思っていました。でも、息子たちがこれから教育費などで大変になると聞いて、今後、援助が必要になることも考えておかなければと思ったんです」
もちろん、子どもを助けるために自分たちの老後資金を削りすぎるわけにもいきません。浩さんも、夫婦の生活や医療・介護への備えを優先する必要があることは理解しています。
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果」によると、世帯主が65歳以上の二人以上世帯の平均貯蓄現在高は2,494万円です。一方、世帯主が40歳代の二人以上世帯では、平均貯蓄現在高が1,381万円、負債現在高が1,483万円です。住宅ローンなどを抱えながら、子どもの教育費や住まいの維持費を負担する家庭もあります。
浩さん夫妻は、自分たちの今後の生活に必要な資金を改めて確認し、息子一家を支援することになった場合、どこまでなら無理なく出せるのかを話し合うことにしました。
国立社会保障・人口問題研究所『2022年生活と支え合いに関する調査』によると、18歳未満の子がいる世帯の63.9%(「とても重い」18.9%、「やや重い」45.0%)が子どもの教育費負担を「重い」と感じています。
また『第7回全国家庭動向調査』では、別居する子が18歳以降に親から受けた経済的援助として「孫に係わる経費」(近居の娘で58.6%)や「教育費」(同35.1%)が多く挙げられています。
自分たちの老後資金に影響が出ない範囲での援助は、教育費負担に悩む子世帯の家計を支える実効性の高い手段といえるでしょう。
ただし、子どもを支援するために、親自身の老後の生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。退職後の資産を何に、どこまで使うのか。自分たちの生活を守ることを前提に、家族の状況や将来の支出も踏まえて考えておくことが大切です。