「新NISA?やめておけ」資産3億円・88歳祖父が“投資全振り”に待ったをかけたワケ

そんな節約生活を続けていたある日、亡き祖母の法要のため、ユウキさんは半年ぶりに群馬県の実家へ帰省しました。実家では、両親と大学生の妹、そして祖父・ナオツグさん(仮名・88歳)が暮らしています。

久しぶりに帰ってきたユウキさんを、家族は温かく迎えてくれました。食卓にはユウキさんの好物が並び、久々に家族全員で食事を囲みます。するとユウキさんの仕事や東京での暮らしが話題となりました。

そんななか、ナオツグさんが、ユウキさんの顔をじっと見て口を開きました。

「少し痩せたんじゃないか……?」
「たしかに体重は減ったかも。ジムも辞めたんだよね」

「仕事がそんなに忙しいのか? あまり無理するなよ」と心配するナオツグさん。ユウキさんは、将来のために投資をしていること。そのために毎月10万円をNISAに積み立てていること。そして、その資金を捻出するために生活費を切り詰めていることを打ち明けました。

ユウキさんの告白に、ナオツグさんの表情は突然険しくなりました。

「新NISA? やめておけ。今の生活を犠牲にしてまで投資するのは本末転倒だ」

そう一喝したナオツグさん。実は、経営者として約3億円の資産を築いた人物です。自身が資産を築く過程で、「お金以上に時間や健康、経験といったものが大切になる」と実感しているのです。

「今の生活を犠牲にしてまでお金を増やす」ことへの疑問…気づきを与えた〈祖父の言葉〉

「たしかに投資も大事だ。でも。若いうちにしかできない経験もある。仕事の勉強でも、体を鍛えることでも、趣味でも何でもいい。そういう経験が、これからのお前の人生の糧になるんじゃないのか」

ナオツグさんの指摘に対して、ユウキさんも「昔と今では投資を取り巻く環境も変わっていること」「NISAも正しく活用すれば、将来に備えるための有効な手段であること」を説きました。

しかし、ナオツグさんには投資の重要性は理解されつつも、最後まで意見が交わることはなく、食卓には少し気まずい空気が流れました。

翌朝、ユウキさんは実家をあとにしました。東京へ戻る電車のなかで、ユウキさんは、昨晩のナオツグさんの言葉を思い出しました。

「今の生活を犠牲にしてまでお金を増やすことが、本当に幸せなのだろうか?」

祖父の言葉は、「NISAの非課税枠を早く埋めること」ばかりに目を向けてきたユウキさんに、新たな気づきを与えてくれたのです。