老後の年金について、受給額の「額面」だけでなく「手取り」まで意識している人はどれほどいるでしょうか。世間の情報に踊らされず、「手元にいくら残るのか」を正確に把握しておくことが豊かなリタイア生活の鍵となります。本記事ではYouTubeチャンネル登録者数40万人超の人気FPである鳥海翔氏が、年金の繰下げ受給で「月15万円」に増やした結果、退院時の窓口で絶句することになった70歳男性の事例をもとに「年金受給のタイミング」について解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「得したはずが…」繰下げ受給で〈年金月15万円〉に増額した70歳男性、「医療費の請求」に絶句したワケ【FPが解説】
【FPが解説】医療費の自己負担上限が上がることも…手取りと社会保障が抜け落ちた「繰下げ受給」の注意点
メディアやSNSを開けば、「何歳まで生きるなら、繰下げ受給が最も得になる」といったシミュレーションがあふれ返っています。受給額の数字が増えることばかりを追い求め、「税金」や「社会保険料」、さらに「社会保障制度」の仕組みがすっぽり抜け落としている方は多く見受けられます。
単純な足し算や掛け算をして「何歳以上生きるならこっちがお得」と計算するのは簡単です。ところが、寿命のことや、税金、社会保障の影響を他の制度と組み合わせて考えると、年金の仕組みは一気に複雑になります。
年金は一概に「何歳からもらうのが正解」と決めつけることはできません。「何歳で受け取るか」ではなく、「月いくら受け取ったらお得なのか」に視点を切り替えていく必要があります。
年金額を増額すると、税金や社会保険料の負担も増えるため、額面ほど手取りが増えないことがあります。年金は受給額だけではなく、税金や社会保険料を差し引いた後の手取りで考えることも大切です。
また、高額療養費制度では、
繰上げ・繰下げ受給を考えるときは、年金の額面だけではなく、税金や社会保険料を差し引いた後の手取りも含めて考えることが大切です。ただし、手取り率が高いことと、実際に受け取れる手取り額が多いことは別です。そのため、自分の年金額や生活資金を踏まえて受給開始時期を考える必要があります。