50歳から年利5%で運用しても「1億円到達は100歳前後」

新NISAにおいて、一般的には最速で生涯投資枠の1,800万円を埋めることが推奨されています。しかし、一般的な年利5%や7%といった一律のシミュレーション計算を当てはめると、50代から投資を始める人が1億円に到達するのは極めて困難であるように見えます。

毎月30万円を5年間積み立てて1,800万円の投資枠を最速で埋め、その後は追加投資をせずに運用のみを続けさせるケースで考えてみましょう。50歳で投資をスタートした場合、55歳の積立完了時点で資産は約2,040万円となります。これを追加投資をせずに寝かせて運用し続けた場合、年利5%では、65歳時点で約3,300万円、75歳時点で約5,420万円、85歳時点で約8,830万円となります。

50歳で開始した人が1億円に到達するためには95歳や100歳前後まで待つ必要があり、現実的な資産形成としては難しいことがわかります。

では、年利7%で計算した場合はどうでしょうか。55歳の毎月30万円の積立完了時点で約2,150万円。その後、65歳時点で約4,230万円、75歳時点で約8,320万円、85歳時点で約1億6,300万円となります。この場合、1億円に到達するのは75歳から85歳の間である80歳前後となり、やはり実感が得られにくい結果となります。

時間的な余裕が十分にある若い世代であれば、この一律の年利計算であっても、新NISAのみで1億円を作ることは不可能ではないかもしれません。しかし、50代や60代から投資を始めて1,800万円を1億円にするのは、このシミュレーションに頼る限り、さすがに無理であると考えるのが自然でしょう。

過去25年のS&P500データが証明…1億円到達の「リアルな年数」

しかし、一律の年利計算ではなく、過去の実際の騰落率(S&P500)に当てはめてシミュレーションを行うと、まったく異なる驚くべき結果が得られます。

2000年1月から2004年1月にかけて、毎年新たに投資を開始した5つのパターン(毎月30万円を5年間投資して1,800万円を埋め、その後は追加投資をせずに放置したケース)を実際の過去データで検証したところ、1億円に到達するまでに要した期間は以下の通りでした。

2000年1月スタート:25年

2001年1月スタート:24年

2002年1月スタート:23年

2003年1月スタート:22年

2004年1月スタート:21年

どの年に開始した場合でも、おおむね20年から25年程度という現実的な期間で資産1億円を達成していることがわかります。一律の年利計算よりも、実際の市場データを用いたほうが、はるかに早いスピードで資産が拡大しているのです。