年金を使い切る生活が常態化…「無計画な支出」に抱いた危機感

そんな運動不足と暴飲暴食のダラダラとした生活を続けた結果、現在に至るまでに体重は10キロ増えて健康診断で生活習慣病を指摘されてしまいました。

医師からの忠告もあり、ミツオさんはスポーツジムに入会しました。最初の1ヵ月は週に3回通いましたが徐々にペースダウンし、通う頻度が週2、週1となり、いつしか月1回通えばいいというサイクルになってしまいました。

「明日からはちゃんとしよう」と、毎晩同じことを心に誓いながら眠りにつく毎日が続いています。しかし、すぐには生活習慣を変えることは困難でした。

いつしか年金を使い切る生活が常態化し、無計画な支出によって年金支給日の10日ほど前には預金を取り崩す頻度が増えていきました。

「オレ、こんな生活を続けて大丈夫かな……」という危機感はあるものの、改善方法はわからないという状況に陥っています。

20年後には貯金半減…「ダラダラ生活」が招く老後破産の危機

ミツオさんの場合、老後にマンションを一括購入したことは悪い選択ではないでしょう。ただ、退職後にお金の使い方、生活リズム、健康管理を同時に崩してしまったことに問題があるといえます。

年金生活になって収入が減った際、最優先したいのは毎月の支出の見直しです。毎月赤字が続けば老後資金を取り崩すことになり、これから長く続くかもしれない老後生活においてそのインパクトは大きくなります。

ミツオさんの場合、2ヵ月に1回、平均すると預金を6万円おろしています。年間にすると36万円になる計算です。このままのペースが続けば、1,500万円残っていた預金は20年後に単純計算で800万円を切り、30年後には500万円を切ることになってしまいます。

ミツオさんには老後を頼る身内もいないため、不測の事態が起きた場合「安泰」といえる状況ではなくなる可能性が出てきました。しかも、この先は生活費のほかの支出が増える可能性もあります。マンションの管理費や修繕積立金は築古になるほど上がる傾向ですし、歳を重ねるほど医療、介護にも費用がかかることが一般的です。

老後の不安を解消するためには、今後20~30年間の生活費を具体的に試算することが重要です。

収支の把握

最初の一歩は、自分が何にいくら使っているのかを知ることです。まずは3ヵ月間、支出を記録してみましょう。本来は食費、酒代、日用品、外食費、娯楽費と各分野に分けて把握することが望ましいですが、最初からハードルを上げすぎると挫折する確率も高くなるため、最初はレシートを後で見返せるように取っておくだけでも十分です。

レシートを見返す癖がつくと、どのタイミングで何にいくら使っているのか、おおよそ把握できるようになります。すると無駄な支出も見えてきます。

予算の管理

収支の把握ができたら、年金月額15万円で生活するための予算を作ります。水道光熱費、通信費、管理費などの固定費を除いて1ヵ月に使える予算を算出して、その金額を週単位に分けて管理することや、項目ごとに分けて予算管理をする方法を試してみましょう。

固定資産税や保険料などの年単位の支出がある場合は要注意です。家計管理は、月単位ではなく年単位で把握することが重要。年払いの費用を毎月の生活費に含めるのか、預金から支払うのかも決めておきます。