一様に成長しているわけではない…新興国市場「3つのグループ」

新興国株への投資を行う際、すべての新興国が一様に成長しているわけではないという実態を理解する必要があります。現在の新興国市場は、成長の原動力の違いによって大きく3つのグループに分類できます。

AIや半導体分野の需要増加を追い風に成長しているグループ

台湾や韓国がこれに該当し、長期の5年や10年のスパンで見ても、年率15%から23%前後の高い2桁成長を維持し続けています。

国内の経済環境や景気動向の影響を受けて苦戦しているグループ

中国やインドがこれに該当します。中国はAI技術の導入に注力しているものの、国内の厳しい景気後退が株式市場の足を引っ張っています。インドは原油高や通貨ルピー安の直撃を受け、厳しい運用環境を強いられています。

独自の強みや資源の価値を発揮して成長しているグループ

原油や鉄鉱石の輸出が好調なブラジル(直近1年リターン:プラス44.65%)、米国と中国の貿易摩擦の影響から米国向けの輸入代替拠点として景気が急上昇しているメキシコ(直近1年リターン:プラス34.98%)、金やプラチナの価格高騰の恩恵を直接受ける南アフリカ(直近1年リターン:プラス28.84%)が該当します。これらの国は、長期の5年や10年で見ると成長が鈍化しやすいものの、直近1年では強力なパフォーマンスを示しています。

半導体だけではない…米国株の「絶対的な強み」

新興国株の急上昇に対して、米国株が一時的に見劣りする理由は、指数に占める半導体企業の割合の違いにあります。米国株における代表的な半導体3社であるエヌビディア、ブロードコム、マイクロン・テクノロジーの合計比率は、指数全体の11.35%に留まります。

米国市場は半導体分野のみならず、小売、ヘルスケア、不動産、テクノロジーといったあらゆる業種において優良企業がひしめき合っています。特定の業界が急騰しても、他の強固な業界が安定しているため、全体のパフォーマンスは良くも悪くも平均化されやすい特徴を持ちます。

また、半導体相場が急上昇する局面では新興国株が際立って強く見え、米国株は相対的に見劣りすることになります。しかし、半導体相場が急激な下落局面に転じた際には、業種が高度に分散されている米国株のほうが高い安定性を発揮し、半導体への依存度が高い新興国株は打撃を受けることになります。