私のもとには、「YouTubeで勉強して投資を始めました」「ネット証券で新NISAを始めました」といった投資相談が数多く寄せられます。保有商品を確認すると、多くの方に共通する特徴があります。それは、オルカンやS&P500投信への投資です。もちろん、これらは優れた投資商品です。しかし、保有資産全体を分析すると、本人が思っている以上に米国株と米ドルに集中したポートフォリオになっているケースが少なくありません。今回は投資相談に来られた阿部様(仮名・45歳)の事例をもとに、特定の資産に集中するリスクについて考えてみます。
「この2つを買っておけば安心って聞いたんですけど…?」オルカンとS&P500投信に500万円ずつ投資する45歳会社員、評価額の乱高下に<強い不安>【FPの助言】

投資のプロが最初に考えること

投資相談で私が最初に確認するのは、「保有資産が特定の投資対象に過度に集中しすぎていないか」です。

 

たとえ複数の商品を保有していても、その中身が同じ投資対象に偏っていれば、本当の意味での分散投資とは言えません。実際、オルカンとS&P500投信を組み合わせて保有している方の中には、本人は分散投資をしているつもりでも、結果として米国株や米ドルへ大きく集中しているケースが少なくありません。

 

阿部様にも、米国株と米ドルへの過度な集中を是正するため、以下の資産配分を提案しました。

  • 米国株:35%
  • 先進国株(米国を除く):15%
  • 日本株:30%
  • 新興国株:10%
  • 中小型株:10%

 

日本株を組み入れることで為替リスクを軽減し、新興国株や中小型株を加えることで投資対象を広げ、よりバランスの取れた資産配分を目指しています。

 

つまり、商品選びの前に、まず資産配分を考える。これが私の基本スタンスです。

 

【まとめ】特定の投資対象に集中しすぎない資産配分が重要

私の投資相談では、オルカンやS&P500投信を保有している方を数多く見かけます。しかし、その多くが米国株集中、米ドル集中という共通点を持っています。

 

オルカンやS&P500投信は、低コストで長期投資に適した優れた商品です。しかし、どれほど優れた商品であっても、特定の資産に集中しすぎればリスクは高まります。

 

投資の目的はリターンを獲得することですが、同時にリスクをコントロールすることも重要です。

 

特定の投資対象に集中しすぎない資産配分を考えること。それが、長期的かつ安定的な資産形成につながるのです。

 

 

前田 敏
マネー・マネジメントFPオフィス
代表