多くの人は「商品選び」「制度選び」から始めてしまう
このように、投資を始めるときには「投資の目的」から決めることが重要です。
ところが実際には、「新NISAをやった方がいいらしい」「オルカンとS&P500がおすすめらしい」といった情報から投資を始める人がほとんどです。
つまり、本来最後に考えるべき商品選びや制度選びからスタートしてしまうのです。
これは旅行に例えると分かりやすいでしょう。
旅行の計画を立てる前に、「新幹線がいいですか?」「飛行機がいいですか?」と聞かれても答えられません。なぜなら、目的地が決まっていないからです。北海道へ行くのか、大阪へ行くのか、福岡へ行くのかによって最適な交通手段は変わります。
資産形成も同じです。
老後資金ならiDeCoや企業型DCが有力かもしれません。教育資金なら新NISAが向いているかもしれません。5年以内に使う住宅購入資金なら、預金を中心に考えるべき場合もあります。また、20年以上運用できる人と5年後に使う人では、選ぶ商品も変わってきます。
つまり、新NISAは目的地ではありません。オルカンやS&P500も目的地ではありません。新NISAやiDeCoは交通手段であり、投資信託や株式は乗り物にすぎないのです。
本当に最初に考えるべきことは、「何のために投資をするのか」という投資の目的です。
新NISAは万能薬ではない
新NISAは非常に優れた制度です。しかし、制度そのものが資産を増やしてくれるわけではありません。
まず決めるべきは商品でも制度でもなく、「あなたは何のために投資をするのか」。その目的を明確にし、必要な金額と期間を決める。そして、その目的に合った商品と制度を選ぶ。この順番を間違わなければ、情報に振り回されることなく、自分に合った資産形成ができるはずです。
新NISAは万能薬ではありません。しかし、目的と計画を持って活用すれば、人生の目標を実現するための強力なパートナーになってくれるでしょう。
前田 敏
マネー・マネジメントFPオフィス
代表