【CFPの助言】早期退職は「お金」だけではなく「退職後の生き方」を考えて検討する

近年は、ライフスタイルの多様化により、十分な退職金や資産をもとに、会社を早く辞めて自由な生活を送る「早期リタイア(FIRE)」を目指す人も少なくありません。

また、企業側でも希望退職を募集する動きが強まっています。株式会社東京商工リサーチによると、2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社でした。一方、募集人数は2万781人と前年度の約2.5倍に急増しており、多くの人が早期退職という選択を迫られていることがわかります。

出典:株式会社東京商工リサーチ「2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準」
[図表]2025年度 上場企業「早期・希望退職」推移 出典:株式会社東京商工リサーチ「2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準」

しかし、早期退職は「お金さえあれば安心」というものではありません。ショウさんのように、仕事中心の生活を送ってきた人ほど、退職後に時間を持て余したり、人とのつながりが減ったりすることで、孤独感や生きがいの喪失に悩む場合があります。

このような事態を避けるためにも、早期退職を決断する前には次のような準備を進めておくことが大切です。

・やりたいこと・挑戦したいことをリストアップしておく

・退職前から趣味を見つけておく

・地域のサークルやコミュニティに参加しておく

・仕事以外で気軽に会える友人を作っておく

・老後の生活費や資産の取り崩し計画を立てておく

早期退職は、時間という大きな財産を手に入れられる一方で、その時間をどう使うかが人生の満足度を大きく左右します。退職金や資産額だけではなく、「退職後にどのような人生を送りたいのか」まで具体的に考えておくことが、後悔しない早期退職につながるでしょう。

失われたプライドと新たな居場所…55歳元部長のリスタート

思うように再就職が決まらず、ハローワークへ通い続けていたショウさんですが、そこで知り合った同世代の男性に誘われ、登山サークルへ参加することになりました。

最初は戸惑いもありましたが、一緒に山を登り、食事をし、会話を重ねるうちに、新たな仲間とのつながりが生まれていきます。そこには「元部長」という肩書きを気にする人は誰もおらず、ショウさんは少しずつ笑顔を取り戻していきました。

その後、登山仲間からの紹介で、医療施設の利用者を送迎する仕事に就くことができました。現役時代ほどの収入ではありませんが、社会とのつながりを感じながら働けることに喜びを感じ、収入を得られることで資産の目減りにも歯止めがかかります。

早期退職は、お金の準備だけでなく、退職後の居場所や人とのつながりをどう築くかも重要です。「どれだけ資産があるか」だけではなく、「どのような人生を送りたいか」を考えておくことが、後悔のないセカンドライフにつながるでしょう。

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP

【注目のセミナー情報】
【国内不動産投資】8月8日(土)オンライン開催

《短期償却×安定運用》
実質利回り15%前後も狙える「トランクルーム投資」

【事業投資】8月13日(木)オンライン開催
未経験・1人運営でも目指せる!
『買取大吉』の高収益モデルの全貌