「子どもの教育費」が家計に占める割合は、年齢が上がるほど大きくなります。習い事費や塾代などを支出しながら、同時に大学資金を準備する必要があるため、教育資金はできるだけ早い時期から計画的に準備することが大切です。物価に連動して教育費の上昇も懸念されるなか、どのように教育費を準備していけばいいのでしょうか。CFPの山﨑裕佳子氏が、事例をもとに解説します。
「この先どうしよう…」世帯年収1,100万円・45歳夫婦が直面した教育資金の壁。2027年1月新設〈こどもNISA〉の活用策【CFPがシミュレーション】
【CFPが解説】大学進学に向けた「状況別」教育資金の捻出法
高校までの教育費は毎月の生活費から支出して、大学進学時期に合わせて教育資金を準備する家庭が一般的です。しかし、ただ漠然とお金を貯めているだけだと、いざ進学時に資金不足であることを知って慌ててしまうことも少なくありません。
まさに今、学費問題に直面して困っている人と、まだ子どもが小さく準備期間がある人では、教育資金の準備方法は異なります。それぞれについて解決策を考えてみましょう。
進学が目前に迫っている場合:奨学金や教育ローンの活用
すでに子どもが高校生などで、まとまった学費の支払いが目前に迫っている場合は、公的な支援制度や外部からの借り入れを速やかに検討する必要があります。
国の給付金・減免制度、奨学金の確認
まずは返済不要の「給付型奨学金」や「授業料減免制度」の対象になるか、進学先の大学や日本学生支援機構の要件を確認してみましょう。それらが利用できない場合は、返済義務のある「貸与型奨学金」の利用を視野にいれましょう。
教育ローンの活用
日本政策金融公庫や民間の金融機関が提供する「教育ローン」の利用も検討しましょう。ただし、親の年収の目安や借入限度額が設けられているため確認は必須です。奨学金の返済義務は子どもにあり、教育ローンは親の債務です。お金を借りるという選択をする場合は、返済方法や返済の見通しについても事前に親子で話し合っておくことをおすすめします。
まだ準備期間がある場合:「学資保険」と「NISA」の活用
まだ子どもが小さく、数年~数十年の「準備期間」があるなら、時間を味方につけた資金づくりが可能です。
学資保険
学資保険のよいところは、確実に教育資金の準備ができることです。満期金の返戻率は運用の利益率と比較すると見劣りするかもしれませんが、万一、契約者が亡くなった場合に以降の保険料は不要、学資金は全額もらえるのは保険ならではの安心感です。
一方で満期金が契約時に確定しているため、インフレに弱いという側面があります。将来的に大学の授業料が上がったとしても、固定額しか受け取れないため、満期金の実質的価値は目減りしてしまう可能性もあるでしょう。
NISA
運用益や売却益が非課税になるNISAは、長期間運用するほど複利効果が大きくなり、インフレに対抗できる高いリターンを期待できます。
ただし、投資である以上利益に保証はなく、元本割れのリスクもゼロではありません。大学進学時の現金化したいタイミングで基準価額が下がっていれば、予定していた額に届かないということもあることを理解しておかなければなりません。