マッチングアプリやSNSを通した出会いが一般的になった現代において、相手の素性を十分に知らないまま、結婚目前まで関係が進むケースも増えています。なかには、相手が既婚であることを隠し、深刻なトラブルに発展する例もあります。もし交際が相手の配偶者に知られれば、高額な慰謝料を請求される恐れも……。では、このような状況に直面した場合、どのように対応すべきなのでしょうか。31歳女性の事例を通して、弁護士・山村暢彦氏が解説します。
「もしもし、妻ですけど」…年収1,200万円・38歳エリートから〈プロポーズ予告〉を受けた31歳女性。幸せの絶頂から一転、電話越しに請求された〈300万円の慰謝料〉【弁護士が解説】
年収1,200万円の誠実な彼からの「プロポーズ予告」に、将来を確信
「近いうちに私の両親にも紹介する予定だったんです。あの日まで、彼のことは1ミリも疑っていませんでした」
都内のメーカーで働くミカさん(仮名・31歳)は、青ざめた表情で半年間の交際を振り返ります。
タクミさん(仮名・38歳)とは、友人が主催した食事会で知り合いました。外資系企業に勤める彼は年収1,200万円と高収入。「仕事が忙しくてずっと彼女がいない」と語る彼は誠実そうで、連絡もまめでした。
ミカさんは「彼となら将来も経済的に安心できる」と惹かれ、すぐに交際へ発展。週末になるとタクミさんはミカさんのマンションを訪れるなど、二人は順調に愛を育んでいました。数ヵ月が経つと、タクミさんから「来年には結婚しよう。近いうちにご両親に挨拶に行きたい」というプロポーズ予告を受けました。
将来を確信したミカさんは幸せの絶頂にいましたが、それから間もなくして、信じられない事態に見舞われます。
「もしもし、妻ですけど」…電話越しで放たれた〈衝撃のひと言〉
ある日、ミカさんのスマートフォンに見知らぬ番号から着信がありました。出てみると、冷ややかな女性の声が響きます。
「もしもし、タクミの妻ですけど。あなたが夫としていることはすべて知っていますよ」
頭が真っ白になったミカさん。「誰ですか? 妻ってどういうこと? 彼は独身で、私と結婚する約束を……」
ここまで言いかけると、電話の向こうの女性は遮るようにいいました。
「言い訳するのやめてもらっていいですか? 探偵を雇って、あなたたちがホテルに出入りする証拠も揃ってますよ。人の家庭を壊した慰謝料として、300万円請求します。すぐに支払わなければ裁判を起こしますし、あなたの会社にも内容証明を送りますからね」
一方的に電話を切られ、ミカさんはパニックに陥りました。すぐにタクミさんに電話しましたが、何度かけてもつながりません。SNSもすべてブロックされており、そこで初めてタクミさんが「独身」と偽り、自分を騙していたのだと悟りました。
