「東大卒・元部長」圧倒的な肩書きのはずが、なぜか響かない

しかし、面接の手応えは想像とまるで違いました。履歴書を見ると、面接官は決まって「素晴らしいご経歴ですね」と口にします。佐藤さんはつい嬉しくなり、過去の話に熱が入ってしまいます。

「東大では」
「私が部長を務めていた頃は」

ところが、いくら待っても採用の連絡は来ません。当初、佐藤さんがエントリーしていたのは、前職のライバル企業や有名メガベンチャー、顧問契約といった、いわゆるハイクラス求人ばかり。

次第に条件を下げ、少しランクを落とした企業にも応募してみたものの、結果は全敗。最近では積極的な就職活動もできなくなり、家に閉じこもりがちになっています。

「いくら経済的な不安はないとはいえ、無職のまま60代になるのは絶対に避けたい。妻の冷たい視線の中で、膨大な時間をどう過ごしていいかわからないんです。いったいどうしたらいいんだ……」

肩を落として、佐藤さんはつぶやくのでした。