退職金と預金を合わせた5,300万円の資産を元手に、入居一時金2,000万円の「高級老人ホーム」へ入居したユミコさん(仮名・68歳)。「これで一生安泰」と快適な老後を夢見ていたものの、わずか1年半で自主退去をすることに。閉鎖空間特有の「ドロドロした人間関係」に絶望し、安い賃貸マンションへ逆戻りした事例をもとに、老人ホーム選びの落とし穴と回避策をCFPの山﨑裕佳子氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
こんなところ、もう1日もいたくない…「一時入居金2,000万円」を払った〈年金月23万円〉68歳女性の後悔。わずか1年半で「地獄の高級老人ホーム」から逃げ出したワケ【CFPの助言】
「これで一生安心」老後資産5,300万円を元手に選んだ“終の棲家”
ユミコさんが入居を決めた老人ホームの費用は次のとおりです。
入居一時金:2,000万円
月額利用料:23万円
(内訳)
家賃: 0円
管理費:6万円
サービス費:11万円
食費(3食):6万円
上記に加え、介護が必要な状況になれば外部の介護サービスを利用することになり、追加の費用がかかります。
ユミコさんは、預貯金から入居一時金を払い、年金から月額利用料を払うことにしました。年金は全額、老人ホームの月額利用料に消えてしまうため、交際費、被服費、旅行費など、別途かかる費用は貯蓄を取り崩すことにします。入居一時金を払っても預金が十分にあるので心配はしていませんでした。
ユミコさんの部屋は5階最上階の南向き1LDK。ミニキッチン、バス、トイレ付きです。共用施設にはスポーツジムや図書館があり、ヘアサロンも併設しています。
「あ~、これで安心。食事の心配もいらない。これからは自分の時間は自分だけのもの。好きなことだけして過ごせるわ」と、快適な毎日を期待していました。
ところが、老人ホームでの快適な暮らしは、わずか1年半で終わりを告げたのでした。