高級車が目立つわけでも、超富裕層が集まる街でもない東京都武蔵野市。それでも平均所得は634万円と全国11位に位置し、10年近く上昇を続けています。経営コンサルタントの鈴木健二郎氏が、住民の声を交えながら豊かさの源泉を探ります。
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武蔵野市、平均所得634万円・全国11位「高所得者が住み続けたくなる」町の仕組みとは?【経営コンサルタントが解説】
「知的資本」が再生産される都市
武蔵野市の高所得構造を理解するうえで重要なのは、「誰が住んでいるか」である。
港区のように資産家や経営者が集中しているわけではない。
武蔵野市に多いのは、医師、弁護士、会計士、大学教員、研究者、ITエンジニア、大企業の管理職といった知的専門職層である。
彼らは一般的なサラリーマンよりも高い収入を得る一方、超富裕層ほど派手な生活を志向しない。
そのため、タワーマンション街や超高級住宅地ではなく、教育環境や住環境を重視する傾向が強い。
武蔵野市は、まさにそのニーズに応えてきた。
さらに興味深いのは、この街が「知的資本の再生産装置」として機能していることだ。
学習塾関係者はこう話す。
「中学受験は珍しくありません。教育への関心は非常に高いですね。保護者の方も教育熱心な方が多いです」
高所得の専門職が住み、教育投資を行い、その子どもたちも高い教育を受ける。
もちろん全員がそうなるわけではない。しかし、地域全体として見れば、「知的資本」が継続的に蓄積される構造が存在している。
企業経営に例えれば、人材育成に継続投資する企業のようなものだ。
短期的な利益ではなく、長期的な競争力を生み出しているのである。