平均所得が高い「お金持ちなまち」と聞くと、高級住宅街や観光地といった、街のブランド力や産業によるものだと考える人が多いでしょう。しかし、全市区町村別1,741箇所のうち、所得が35番目に高い街「愛知県・長久手市」は、高級住宅街や観光地ではありません。では、そんないわゆる“普通の街”に住む人々の平均所得が高い理由はなんなのか、経営コンサルタントの鈴木健二郎氏が、住民の声を交えながらその秘密を暴きます。
(※写真はイメージです/PIXTA)
平均年齢40歳・平均所得484万円…高級住宅街でも観光地でもないが「市区町村別所得ランキング35位」愛知県・長久手市。地元民が語った“稼げる街”の真相【取材】
“普通の街”長久手の秘密
名古屋市の東側に隣接する、愛知県長久手市。
人口は約6万人で、港区や芦屋のような高級住宅街でも、鎌倉や軽井沢のような観光地でもない、いわゆる“どこにでもある普通の街”だ。
にもかかわらず、2025年の市区町村別所得ランキングでは全国35位(平均484万円)に位置する(ZEIMO「2025年(令和7年)市区町村別所得(年収)ランキング」より)。金額だけをみるとそう感じないかもしれないが、これは1,741ある市区町村のうち上から35番目の数字であり、相対的にみると“お金持ちの街”といって差し支えないだろう。
この結果に、違和感を覚える人もいるのではないだろうか。「長久手ってそんなに稼げる街なのか?」と。
実際に現地を歩くと、その印象はさらに強まる。整然と並ぶ新興住宅地、広々とした公園、ショッピングモール、そしてベビーカーを押す若い夫婦。目に入るのは“普通の暮らし”だ。いわゆる富裕層の町にありがちな、高級外車が並ぶ光景はほとんどみられない。
「お金持ちが多い」わけではない
地元の不動産会社の担当者はこう語る。
「長久手市は、いわゆる豪邸や高級車が並ぶような町ではありません。でも、共働きでしっかり稼いでいるご家庭が多い印象です。世帯年収でみると、かなり高いと思います」
「共働きでしっかり稼いでいる」……この一言が、長久手の本質を突いていると感じた。長久手はいわゆるお金持ちが多い街ではないが、「稼げる世帯が多い」のだ。
