親子間で、お金の話を気軽にできる人はどれほどいるでしょうか。もしも親になにかあった場合、金銭的なトラブルを避けるためにも、「親の資産がいくらあるのか」は把握しておきたいところです。相続にまつわる生前対策の重要性について、元証券マンの父親を亡くした55歳男性の事例をもとにみていきましょう。
だって、ベンツに乗っていたんですよ!? 年収700万円・55歳サラリーマンの悲鳴…80歳「元証券マンの父」の葬儀後、実家の仏壇の前で“膝から崩れ落ちた”ワケ
お金があると思うでしょ普通…
「だって、ベンツに乗っていたんですよ!?」
そう言ってうなだれるのは、会社員のマコトさん(仮名/55歳)です。現在の年収は約700万円。妻と大学生の長男との3人暮らしで、自宅はマコトさんの実家から車で1時間ほどの場所にあります。
マコトさんが絶望している理由は、亡き父の相続でした。
マコトさんの父親は、元証券マン。昔気質で情に厚く、定年退職してからも当時の部下や後輩から慕われ、飲みに行ったりゴルフに出かけたりしていたそうです。
「子どもの頃から会社の人がよく家に遊びに来ていました。母は大変だったと思いますが、私にとっては自慢の、尊敬できる父親でした」
そんな父親の愛車は、父が55歳の役職定年のタイミングで「自分へのご褒美」として新車で購入したメルセデス・ベンツのSクラスでした。
「父は『ベンツはメンテナンスさえしっかりすれば一生走る車なんだ。俺が死んだら、この車はお前が引き継いで乗ればいい』と嬉しそうに話していました」
そんな父が、80歳で逝去。親戚や父親の元部下たちが大勢駆けつけた立派な葬儀を、喪主としてなんとか無事に終えたマコトさん。
葬儀を終えひと段落したマコトさんの脳裏によぎったのは、「父の遺産」のことでした。母親は約10年前に他界しているため、一人息子であるマコトさんが、全額を相続することになります。
「父は元証券マンで、あれだけ羽振りがよくてベンツにも乗っている。正直『株などでかなり儲けているのでは』と期待していました」
葬儀の翌日、マコトさんは手続きを進めるため、生前に父親から「大切なものはここにしまってある」と聞いていた実家の仏壇の引き出しを開けました。
そこにあったのは、見覚えのある古い茶封筒。中から父親の通帳を取り出し、ドキドキしながら最後のページを開いたマコトさんは、その場に膝から崩れ落ちたといいます。
