父の見舞いで明らかになった最悪の事実

「ATMで通帳を記帳して、思わず膝から崩れ落ちました……心の底から後悔しています」

そう語るのは、都内在住の公務員マサキさん(仮名/59歳)です。年収は約800万円。仕事が忙しく10年近く実家を離れていましたが、85歳になる父親が入院したとの知らせを受け、約10年ぶり九州の実家に帰省しました。

そこで、マサキさんは言葉を失います。車庫には見慣れない高級外車が鎮座し、古びた日本家屋には不釣り合いなブランド家具が並んでいたのです。

実家で父親と同居し、身の回りの世話をしていたのは兄のケイイチさん(仮名/62歳)でした。

「おかしい……倹約家の親父がこんな散財するはずない」

不審に思ったマサキさんは、父親の預金通帳を探し出し、お見舞いに向かう道すがら、銀行へ立ち寄りました。店内入口にあるATMで記帳したところ、明らかに不自然な大口の出金が何度も繰り返され、数年間で2,000万円近く残高が減っていたといいます。

のちに病院へ確認したところ、この異常な出金が始まった時期は、父親の認知機能が低下しはじめた時期と一致していました。

「おい、これ……いったいどういうことだよ!」

激怒したマサキさんが詰め寄ると、ケイイチさんは悪びれもせずこう言い放ちます。

「親父の面倒を全部一人で見てきたのは俺だ。これだけの手間をかけたんだから、親子とはいえ、介護報酬としてこれくらい受け取るのは当然だろう」

長年、実家のことは兄に任せきりだった後ろめたさはあるものの、密かに父親の遺産に期待していたマサキさんの怒りは収まりません。

「兄が勝手に使い込んだお金を取り返したい」と、マサキさんは弁護士のもとへ相談に駆け込みました。

はたしてマサキさんは、ケイイチさんが「介護報酬」と主張する使途不明金を取り戻すことができるのでしょうか。

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