移住するほどではない。でも、都会を離れた場所でゆっくり過ごす時間が欲しかった——。そんな思いから65歳で二拠点生活を始めた夫婦。自然の中での時間は豊かでした。しかし年齢を重ねるにつれ、移動・寒暖差・維持管理の負担が重くなっていきます。老後の“夢の別荘”に待ち受けていた現実とは? FPの三原由紀氏が解説します。
「私、もう東京に帰る」と妻は去った…1,500万円で“八ヶ岳・夢のリゾート別荘”を手に入れた65歳夫婦。3年で直面した「二拠点生活」の現実【FPが解説】
「高かったけど、後悔はしていない」…老後の“夢”との付き合い方、FPが伝えたいこと
現在も、田中さんは月に1度ほど別荘へ通っています。洋子さんの同行頻度は減りましたが、田中さんは「結論として、後悔はしていない」と話します。
「維持費もかかるし、今では行かない月もある。でも、65歳からの数年間、あそこで過ごした時間は本当に良かった」
老後のお金は、単に「増やすため」だけのものではありません。自分が人生でやりたかったことに使うためのお金でもあります。田中さんの判断は、その意味では間違っていなかったとも言えます。
一方で、田中さんは最近こう話しているそうです。
「次は、もっとアクセスのいい場所にするかな。熱海あたりとか」
これについて、FPの立場から一点だけ補足しておきたいことがあります。
“夢を持ち続けること”は悪いことではありません。しかし、老後における不動産の購入は、「買う瞬間」だけでなく「いつまで使えるか」「どう手放すか」まで含めて考える必要があります。とりわけリゾート物件は流動性が低く、売りたいときに売れないケースも少なくないのです。
もし新たな二拠点生活を考えるなら、今の別荘を今後どうしていくのかも含め、あらかじめ整理しておきたいところです。
夢を見ることは大切です。ただ、“老後の夢”だからこそ、始める前に「終わり方」まで描いておく。田中さんの「熱海あたりとか」という言葉を聞きながら、そのことをもう一度、穏やかに伝えたいと思います。
三原 由紀
プレ定年専門FP®
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