少子高齢化が進むなか、実家の管理や「墓じまい」を巡る親子の価値観の相違が問題になることも。良かれと思った合理的な提案が、長年築いてきた家族の絆を壊してしまった――。そんなある親子の事例を通し、墓じまいの実態についてみていきます。
うそだろ…GWに帰省した〈年収800万円〉45歳長男、〈年金月12万円〉78歳母から突きつけられた「絶縁宣言」のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

距離がネックで「墓じまい」に前向きの風潮だが…

厚生労働省『衛生行政報告例』によると、令和4年度の「改葬(墓じまいを含む)」の件数は15万1076件に達し、10年前と比較して約2倍に増加しました。少子高齢化や都市部への人口集中により、地方にある墓の維持が困難になっている現実が、この数字に表れています。

 

また株式会社鎌倉新書『改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)』によると、改葬・墓じまいの検討理由で最も多いのが「お墓が遠方にある」で52.0%。次に「お墓の継承者がいない」(44.1%)、「お墓の維持・管理費がかかる」(21.6%)と続きます。やはり「距離」は大きなネックのようです。

 

また改葬・墓じまいで大変だったこととしては、「遺骨の引越し先選び」(38.8%)、「役所の手続き」(32.3%)、「解体業者選び」(23.8%)と、事務手続きが上位に並び、「親戚から理解を得ること」(10.8%)、「家族から理解を得ること」(9.8%)と、人間関係にまつわるものは少数派です。とはいえ、トラブルになることも多い墓じまい。慎重に進める必要があります。

 

健一さんのように、親が望む終活(墓じまい)を有無を言わさず切り捨てる姿勢では、事をうまく進めるはずがありません。とはいえ、親の終活に関して、子がノータッチというのも考えもの。大切なのは、親が元気なうちに「エンディングノート」等を通じて、具体的な費用と意思を共有すること。子の「支えたい」という思いと、親の「自分で決めたい」という思いを両立させる、第一歩となるはずです。

 

 

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