少子高齢化が進み、高齢者のひとり暮らしや認知機能の低下が問題視されるなか、老人ホームへの入居は本人にとっても、家族にとっても、最良の選択肢と捉えがちです。「もうこれで安心――」。しかし、その先に予期せぬ展開が待ち受けていることも珍しくありません。ある父娘のケースから、老人ホームを終の棲家とするための条件をみていきます。
「お父様が暴れてます」…〈年金月20万円〉元教員の78歳父の老人ホームから緊急電話。52歳娘が絶句した凶行理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

施設入居を「終の棲家」と信じ込む誤算

内閣府『令和5年度高齢社会対策総合調査』によると、高齢者の住み替え先として、持ち家希望は51.6%、賃貸住宅希望が25.7%、老人ホーム(介護保険施設と、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など)を希望する人は12.6%。10人に1人以上が、住み替え先として老人ホームを希望しています。

 

しかし、入居は決してゴールではありません。共同生活を維持できなくなった入居者に対し、施設側が退去を求めるケースが存在するからです。

 

主な強制退去の要因は、深刻な迷惑行為(他者への危害や暴言、自傷行為)、医療的ケアの限界、長期入院、そして支払いの滞納。勝さんのように、他の入居者や職員への攻撃性が顕著になった場合、施設側は他の利用者の安全を確保する義務を優先します。多くの契約書には、共同生活の秩序を著しく乱し改善の見込みがない際、施設側から解除できる規定が盛り込まれているのが実態です。

 

恵子さんは「入居すれば一生安心だと思っていた」と漏らします。現実は甘くありません。退去を防ぐための対策としては、まず契約書や重要事項説明書の「退去要件」を事前によく確認すること。そして、施設職員と良好な関係を築くこと。さらに介護・医療ニーズの変化を早めに施設側と共有し、対応の可否を相談すること。

 

施設に入居させれば終わりではなく、新生活のスタートとして、家族も一定の関与が求められます。

 

 

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