(※写真はイメージです/PIXTA)
熟年離婚を待ち受ける経済的困窮
熟年離婚の現実は、想像以上に過酷なものです。厚生労働省「令和6年(2024年)人口動態統計」によると、同居期間20年以上の夫婦の離婚件数は4万684組。離婚全体(約18.6万組)が減少傾向にあるなか、同居期間20年以上の長期同居夫婦の離婚は増加傾向で、全離婚の約22〜23%を占めています。
そのようななか、恵美子さんのような専業主婦が直面するのは、まず財産分与の壁です。民法762条は婚姻前から有する財産を「特有財産」と定め、分与の対象外としています。夫が独身時代の貯蓄や相続分を主張すれば、妻側が共有財産の存在を立証しなければなりません。
さらに深刻なのが年金格差です。日本年金機構「令和5年度業務実績報告」によると、離婚に伴う年金分割の平均改定額は、受給権者1人あたり月3万3,102円。分割対象は厚生年金の報酬比例部分に限られ、基礎年金は含まれません。月20万円の受給額であっても、妻が得られる増額分はわずか数万円。これが現実です。
仕事をするにも、高いハードルがあります。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査では、60歳から64歳の女性の非正規雇用率は75.6%に達しています。職種もサービス業や清掃業に偏っており、高齢者が安定した収入を得るのは至難の業なのです。
「あのとき、感情的にならなければ……」
後悔しても、一度成立した合意は覆せません。感情に任せた決断は、老後の命綱を自ら断つ行為になりかねません。離婚による財産分与と、その後の収支をしっかりとシミュレーションし、慎重に準備を進めることが重要です。
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