米国株の下落要因はPERの調整…であれば今後は?

では、株価は今後どうなっていくのでしょうか。株価=EPS×PERの観点で考えると、PERが極端に低下する(現在の20倍程度から10倍や5倍、1倍になる)可能性は極めて低いです。

S&P500のような分散されたインデックスがそこまで崩れることは、現実的に考えにくいでしょう。

一方、EPSについては長期的に見て上昇を続けるのが自然です。資本主義のもとでは、人口増加や通貨供給量の拡大に伴い、物の価格は長期的に上昇します。企業収益もそれに連動して増えていくのが基本的な流れです。

過去のバブル崩壊(日本のバブルやITバブル)では、EPSが根本的に崩れる要因がありました。しかし、現在の米国株にはそうした構造的な問題は見当たりません。つまり、今回の下落は一時的なPER低下による調整であり、EPSの着実な増加基調が続けば、株価は最終的に反発していくとみられます。

情報に振り回されず愚直に投資を続けることで、お金が増えていく

このような局面で大切なのは、目先の株価変動やメディアの報道に振り回されず、長期的な視点で投資を継続することです。

「先行きが不安なので積立投資を止めようと思う」という声もよくいただきますが、これは逆効果です。株価が下落しているときこそ、割安に買える機会です。上がっているときばかり買うと、結果的に高いところで買うことになり、リターンが小さくなります。

投資は「いまこの瞬間」だけでなく、1年後、3年後、5年後、10年後も続けていくものです。今回のような下落時に投資を止めてしまうと、将来の機会損失を招きます。逆に、愚直に継続することで、長期リターンを最大化できます。

筆者は今回の下落の要因を、EPSの崩れではなく一時的なPER低下によるものだと考えています。日本のバブル崩壊やITバブル崩壊のような「構造的な問題」ではありません。だからこそ、表面的な株価変動ではなく、本質的な要因を理解し、冷静に行動することが重要です。

投資初心者にとって、こうした局面で資産を増やす数少ない方法は、正しい知識を持って継続的に投資を続けることです。ぜひこのタイミングを、長期的な資産形成の好機と捉えてください。

鳥海 翔
株式会社Challenger代表取締役
FP(ファイナンシャル・プランナー)/投資家

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