住宅価格の高騰と共働き世帯の増加を背景に、ペアローンでマイホームを購入する家庭が増えています。夫婦の収入を合算すれば借入可能額は増え、選択肢も広がります。合理的に見えるその選択ですが、離婚や収入減少などの変化が起こった際に、思いもよらぬ“足かせ”になることもあります。本記事では、ある共働き夫婦のケースをもとに、ペアローンのメリットの裏側にあるリスクと備え方について、CFPの伊藤寛子氏が詳しく解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
地獄の同居です…子どものため6,000万円の新築戸建てを買った40代夫婦、5年後「もう限界、別れましょう」→まさかの〈離婚成立後も一緒に暮らす〉切実な理由【CFPが解説】
まさかの“離婚後も同居”という地獄
新居への引越しに伴い貯金を崩したこと、共働きだからこそ生活水準を維持し、子どもの教育費を捻出してきたことで、まとまった資金を準備する余裕はありませんでした。
一方で、どちらかが住み続けるには単独でローンを引き受ける必要がありますが、片方の年収では住宅ローンの借り換え審査に通りません。
最終的に、2人は離婚を選択しました。しかし、家はすぐには売れませんでした。価格を見直しながら売却活動を続けることになったものの、買い手が見つかるまでには時間がかかる状況です。
そこで2人は、「売れるまで同居を続ける」という選択をせざるを得なくなったのです。
「離婚後も同居」という想定外の生活。生活時間をずらし、できるだけ顔を合わせないようにする。子どもたちの前では普通に振る舞いながらも、家の中には重たい空気が流れています。
「家さえなければ、もっと自由に選べたのに…」
美咲さんは、そう漏らします。マイホームは本来、家族の安心のためのものだったはずです。それが今では、人生の選択肢を縛る存在になってしまっていました。