プレッシャーをかけすぎず、側面からのサポートを
受験生の保護者ができることを具体的に考えてみましょう。受験するのは本人ですが、側面からサポートできることはいろいろあります。
しかし、志望大学に合格できるか不安に思っているのは、特に受験生本人なのですから、保護者としてはプレッシャーをかけすぎない、頑張りすぎないことを心がけたいものです。保護者が過度に神経質になっては逆効果です。なるべく普段通りの生活の中で、受験生がリラックスして過ごせるような環境づくりを心がけてください。
保護者の役割としては、受験生の健康管理も大切です。いくら勉強で頑張っていても、体調を崩してしまい、入試本番で実力を発揮できなかったということになっては困ります。
食事は、1日3回、栄養バランスの取れたものを摂ることが基本です。夜遅くまで勉強していて、朝起きるのが辛く、朝の食事は摂らないか、摂っても簡単なもので済ませて高校や予備校に行くという受験生も少なくないですが、こういう生活はすぐに改善すべきです。
ご飯やパンなどの炭水化物は脳にとって重要なエネルギー源ですから、しっかり摂るようにします。ビタミン類や乳酸菌などは免疫力を高めてくれますから、野菜や果物、ヨーグルトなども献立に加えましょう。昼食や夕食も栄養バランスを考えた献立が良いのですが、塾や予備校に行っていて帰宅が遅くなったときは、夜遅くにボリュームのある夕食は避けたいものです。
また、食べ慣れていない料理だと胃腸に負担をかけることもありますので、受験シーズンは、食べ慣れた料理が無難かもしれません。
受験シーズンは風邪やインフルエンザが流行する時期です。感染すると体力が落ち、勉強にも支障が出ますから、本人はもちろんのこと、家族も感染しないように、予防としてのワクチン接種を行い、うがい、手洗いを徹底することが重要です。もし、家族が感染してしまったら、できるだけ受験生との接触を避け、受験生が使用する場所はこまめに消毒しましょう。口や喉が乾燥すると、抵抗力が低下してウイルス感染しやすくなるので、就寝時に加湿器を使うのも効果的です。
また、受験に直接関係することでも、保護者としてサポートできることがあります。志望大学を決める場合、いくつかの候補をピックアップしますが、比較検討するために大学案内パンフレットなどの資料を大学から取り寄せたり、大学のホームページで情報を集めたりすることは保護者にもできます。
そして、志望大学が決まれば、願書の取り寄せや、願書の提出なども代行できますし、遠方の大学の場合は、宿泊の手配や交通機関のチケットの手配も保護者ができます。
この他、小論文や面接に関する情報を収集するのも良いかもしれません。例えば、医学部の小論文や面接では医学・医療に関することがよく出題されますので、最近のニュースで話題となったことや、医学・医療に関する専門用語などを調べてあげるのも良いでしょう。
また、面接ではその大学を志望した理由も聞かれます。大人の目線で志望大学の特徴(他の大学との違い)を整理してあげると、より深い志望理由が準備できるでしょう。こうしたことは、受験生本人がやったほうが良いのですが、受験を取り巻く状況は昔と様変わりしていますから、本人と相談しながら、保護者ができることはサポートしてあげるのも良いでしょう。親子で面接の練習に取り組むご家庭もあるでしょう。
そのときに、ついアドバイスしたくなるかもしれませんが、親子間のアドバイスはなかなか難しいですし、親の言うことを子どもは素直に聞きづらいものなので、アドバイスし過ぎるのは良くありません。医学部の面接では、1つの質問に答えたら、その答えを深掘りしていくような質問や、それに関連づけた質問が続きますから、「その理由をもう少し説明して」とか「まだ曖昧だから、もうちょっと具体的に説明して」という具合に、3回、4回と掘り下げていくような質問を意識して練習すると良いと思います。
子どもを信じ切ることが大切
特に医学部入試の場合、保護者の過度な期待は、子どものプレッシャーになるので、一歩離れて「陰ながら応援しているよ」という態度のほうが、本人にとっては勉強に集中しやすいですし、そのほうが親に信頼されていると思うでしょう。
あれこれ細かいことにまで口出しするのではなく、何も言わないほうが「信じてくれているのだ」と安心しやすいのです。保護者が100%子どもの味方になるのは当たり前です。
ですから、子どもが模試の成績が悪かったり、ストレスが溜まってイライラしていたりして、精神面であまり良くない状況だとしても、すべて「今、自立しようとがんばっているんだ」と前向きに受け止めてください。
模試の成績を見て保護者が不安になると、その不安な気持ちはすぐに子どもに伝わります。その結果、子どもが不安になって勉強が手につかなくなったり、テストが怖くなるということになるので、模試の成績は子どもの前で見ないほうが良いでしょう。
子どもの話をしっかり傾聴することも大事です。子どもが話している最中でも、間違った方向に進まないようにアドバイスをしたくなるものですが、最後まで話を聞いてあげることが、本人の自己肯定感や自信にもつながります。
また、話を聞いてもらえたことで本人も自ら考えるようになり、自分のことは自分で決めるようになるのです。医学部入試は、誰かに言われたからではなく、自分の意志で医学部に行くと決めることが大事です。 実際の入試では、「合格する」と自分を信じている受験生しか合格しません。
保護者の影響は非常に大きいですから、保護者が諦めたら本人も諦めてしまいます。どんな状況でも保護者は子どもを信じ切ることです。子どもが受験するとなると、保護者としてさまざまな心配ごとや悩みが出てきます。
今はインターネット上にいろいろな情報が溢れています。参考になるものもありますが、口コミ情報にはデマみたいな受験情報も含まれています。それに保護者が振り回されることは避けたいものです。
子どもの受験に関して困ったことや相談したいことがあれば、高校の先生や予備校のアドバイザーに相談してみてください。「合格できると信じ切る」ことが、親ができる最大のサポートです!
可児 良友
医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括

