一般財団法人高齢者住宅財団「高齢者の住宅資産の循環活用に関する検討調査(令和5年)」によると、老後の生活資金確保やバリアフリー化を目的に、60代の約4割が住み替えを意識、または実施しているそうです。こうしたなか、広くて手に余る一軒家から、娘家族の住む街の駅近マンションに引っ越した70歳夫婦は、とある理由から住み替えを後悔していました。いったいなぜなのか、詳しくみていきましょう。
引っ越しなんてしなきゃよかった…「地方の庭付き一軒家」から「都市部の駅近マンション」に住み替えた、年金月26万円・70歳夫婦の後悔
まだまだある…引っ越し後の後悔ポイント
また、知り合いの少ないエリアかつマンションということで、引っ越し前は当たり前にあった「ご近所づきあい」が消滅。人と話す機会が極端に減った夫婦は外出が億劫になり、気づけば家にこもりがちになってしまいました。
夫婦が引っ越しを後悔した「最大の誤算」
そして、二人が引っ越しを後悔したもっとも大きな理由は、最近子どもが生まれた次女家族の存在です。
夫婦がマンションに引っ越してから約2年が経ったころ、次女夫婦に待望の第一子が誕生しました。
次女夫婦は共働きということもあり、夫婦は「いつでも頼っていいからね」とサポートを申し出ます。すると早速、次女家族が夫婦の家の近くに引っ越してきました。
当初は「気軽に孫を可愛がることができる」と喜んでいた夫婦でしたが、孫の世話を頼まれる機会が増え、最近では毎日クタクタです。2LDKの住まいでは手狭で、落ち着ける時間や空間がなくなってしまいました。
「いつもなにかに追われている気がして、ずっと疲れている……こんなことなら引っ越しなんてしなきゃよかった」
夫婦は「前のようにのんびり暮らしたい」と再度の住み替えも検討しているものの、資金面の不安に加えて、70歳という年齢による気力や体力の衰えも感じており、なかなか重い腰が上がらないということでした。
老後の住み替えで後悔しないために
今回紹介した夫婦のように、「資金はあったのに、住み替え後の満足度が思ったほど高くない」というケースは珍しくありません。
こうした失敗を避けるためには、実際に引っ越す前に、次のポイントを整理しておくことが重要です。
■「ランニングコスト」の増加を見込んでキャッシュフロー表を作る
マンションを現金で購入すれば住宅ローンはありませんが、管理費や修繕積立金といった「ランニングコスト」は一生かかり続けます。また、管理費・修繕積立金は、入居当初は低めに設定されていることも多く、段階的に値上げされる可能性が高い点も見落とせません。
こうした将来の負担増を踏まえ、キャッシュフロー表で長期的な資金計画を確認しておく必要があります。
