現金でマンションを購入したシニア夫婦

とある地方で暮らすテルオさん(仮名・63歳)とカナコさん(仮名・63歳)夫婦は、長年住み慣れた「庭付き一戸建て」から、「都市部の駅近マンション」への住み替えを計画しはじめました。

夫婦には2人の娘がおり、いずれもその都市部の街に暮らしているというのが大きな理由です。

40年前に郊外に建てられた戸建ては、いまやその役目を終えたかのようにあちこちにガタが来ています。かつてはカナコさんが娘たちとガーデニングにいそしんだ庭も、手間が追いつかずいつの間にか雑草が茂り、荒れ放題に。4LDKの間取りは、夫婦二人には広すぎて掃除が行き届きません。

「間取りは2LDKで十分。便利な駅近マンションなら資産になるし、車も手放せる」

こうして、約2年にもおよぶ綿密な計画の末、65歳になった2人は自宅の売却代金と預金、テルオさんの退職金を元手に、約7,000万円の新築マンションを現金で購入しました。資産は目減りしてしまいましたが、夫婦はどちらもムダ遣いしない性格で、生活費も月26万円の年金収入で十分賄えていたため、夫婦はなんの心配もしていませんでした。

引っ越し当初は「大満足」の二人だったが…

引っ越し当初は、駅近の利便性とマンションの最新設備、それに娘家族との交流に大満足の日々でした。しかし、住みはじめて5年が経過するころには、夫婦はマンションへの引っ越しを後悔していたそうです。

まず二人を襲ったのが、修繕積立金等管理費の値上げでした。最新設備を備えたマンションは共有スペースも豪華で、その分管理費は高くなりがちです。夫婦が購入したマンションも例外ではなく、当初は月3.3万円だった管理費と修繕積立金が、長期修繕計画の見直しにより月4.5万円へ引き上げられることになりました。

その結果、固定資産税を除く住居費が年間54万円に。年間14.4万円の負担増です。年金生活では、この“じんわり値上げ”が地味に堪えます。