住宅価格の上昇が続くなか、「ペアローン」の利用が広がっています。一方、収入の変化や離婚といった想定外の出来事により返済が困難となるなど、ペアローンにはいくつかの注意点も存在するようです。40歳共働き夫婦の事例をもとに、ペアローンのリスクと予防策についてみていきましょう。
ペアローンなんて組まなきゃよかった…世帯年収1,200万円の40歳共働き夫婦「住宅ローン控除」に惹かれてマンションを購入→2年後に待ち受けていた“最悪の未来”【CFPの警告】 (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅ローン控除に惹かれた夫婦だったが…

こうして、アスカさんが2,000万円、ダイチさんが5,000万円をそれぞれ借り入れ、約7,000万円の新築マンションを購入したそうです。

 

毎月の返済額は、アスカさんが約5万5,000円、夫が約14万円です。世帯収入からみれば無理のない水準で、さらに住宅ローン控除の効果も見込めることから、順調なスタートを切ったかにみえました。

 

「夫婦それぞれが住宅ローン控除の対象になるなんて。もっと早く知りたかった」

 

新しい家に心躍る3人。しかし、そんな幸せな生活は、長くは続きませんでした。

ペアローンの破綻

入居から数ヵ月後、仕事を終えたアスカさんが用事のためいつもと違う道から帰宅しようとしたところ、知らない女性と親密そうにしているダイチさんを発見。後日入念に証拠を集めて問い詰めたところ、ダイチさんの不倫が発覚したのです。

 

話し合いの末、夫婦は離婚することになりました。

 

夫婦の貯金300万円は慰謝料という形で全額アスカさんが受け取り、マンションについては従来どおり夫婦それぞれが自分のローンを支払い続ける形で、アスカさんと娘がそのまま住み続けることに。

 

離婚という大きな出来事はあったものの、日々の暮らしは落ち着きを取り戻し、これからもなんとかやっていけるかにみえました。

 

しかし……

 

 

【注目ウェビナー】4月22日(水)
《税理士が解説》
「今期の利益を守る」決算対策

元夫から突然の電話

家を購入してもうすぐ2年が経とうとしていたある日、元夫から電話が。

 

「いきなりごめん。……本当に申し訳ないんだが、ローンが払えそうにない」

 

突然の告白に、アスカさんは動揺を隠せません。

 

「どういうこと? 約束したじゃない!」

 

実はダイチさん、離婚後に会社を辞め、フリーランスとして独立していました。会社員時代から懇意にしていた取引先があり、勝算あっての独立だったそうですが、その取引先の業績不振に伴って、契約が打ち切られてしまったというのです。

 

大得意先を失ったダイチさんの年収は300万円ほどに。年収300万円で毎月14万円のローン返済を続けるのは現実的ではありません。

 

このままでは返済が立ち行かないと判断した2人は、熟考の末マンションを売却することにしました。